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ロンドン・トラファルガー広場「第4の台座」の2026年及び、2028年の選出作品について

トラファルガー広場「第4の台座」次期展示作品の概要

ロンドン市長室は、世界で最も注目を集めるパブリックアート空間の一つであるトラファルガー広場の「第4の台座」に設置される次期勝者を発表した。2026年からはシャバララ・セルフ、2028年からはアンドラ・ウルスタによる作品が順次公開される予定である。

The Fourth Plinth Is About to Become a Trans Monument

第4の台座の2026年及び、2028年の選出作品について

2026年展示作品:『Lady in Blue(青い服の貴婦人)』

作者:シャバララ・セルフ(Tschabalala Self)

Tschabalala Self

【作者と作品の背景】 シャバララ・セルフは1990年ニューヨーク生まれのアーティストである。絵画やファブリック、過去の自作の断片などを用いて女性像を描くスタイルで知られている。今回の作品『Lady in Blue』は、現代のロンドンを生きる若き有色人種の女性にオマージュを捧げたものである。

Lady in Blue  - Tschabalala Self
Lady in Blue  - Tschabalala Self

【作品の詳細と意図】
• コンセプト: 本作は、特定の英雄を崇拝するための偶像ではなく、現代の「エブリウーマン(どこにでもいる、すべての女性)」を象徴している。広場に並ぶ既存の記念碑的な彫像とは対照的に、街を歩く日常的なアイコンとしてデザインされている。
• 素材と色彩: 素材にはブロンズが使用されるが、表面は「ラピスラズリ」の青色で着色(パティナ加工)される。ラピスラズリは古代から北アフリカ、中東、ヨーロッパで珍重されてきた希少な顔料であり、ティツィアーノやフェルメールといった巨匠たちも愛用した歴史的背景を持つ。
• 社会的意義: この彫刻は、ロンドン市民の一人とも言える女性の姿を通じ、表現の平等、承認、そして行動への熱望を象徴している。すべての市民がその独自の貢献を評価される、公平な現在と未来への野心を表現した作品である。

2028年展示作品:『Untitled(無題)』

作者:アンドラ・ウルスタ(Andra Ursuţa)

Andra Ursuţa

【作者と作品の背景】 アンドラ・ウルスタは1979年ルーマニア・サロンタ生まれで、現在はロンドンとニューヨークを拠点に活動している。彼女の作品『Untitled』は、シュールで幽霊のような雰囲気を持つ騎馬像である。

Untitled  - Andra Ursuţa

【作品の詳細と意図】
• 外観的特徴: 透明感のある淡い緑色のシュラウド(死装束や覆い)を被せられた騎馬像の形をしている。騎手と馬の姿は布のひだの下に隠されており、その特徴を識別することはできない。
• 色彩の象徴性: 作品に使用される不気味な緑色は、スライムやエクトプラズム(霊的な物質)を想起させる。これは「不自然さ」や「不健康さ」、あるいは既存の秩序を汚染する可能性の比喩である。ウランガラスのような発光性を持ち、自然光とは対照的な輝きを放つ。
• 歴史と未来への問い: この透明な彫像は、台座が「占拠されていると同時に空である」という矛盾した状態を生み出す。歴史の亡霊、あるいはパロディとも捉えられるこの作品は、公共の空間やコミュニティの合意が溶解しつつある現代の「パラノイア(偏執狂)的な時代」を反映している。
• 環境による変化: 屋外に設置されることで、天候によって表情を変える。晴天時には透明度が増し、曇天時には別世界の物体のような輝きが強調される設計となっている。

最後に

Trafalgar Square's Fourth Plinth-The Next Two Sculptures For 2026 and 2028 Have Been Announced

これら二つの作品は、アメリカ、アルゼンチン、ルーマニア、イギリスの計7名の国際的な候補者の中から選ばれた。選考にあたっては、1万票を超える一般投票も行われており、パブリックアートが公共空間に与える影響力の大きさを裏付けている。
2026年のシャバララ・セルフによる「人間賛歌」とも言える具象的な作品と、2028年のアンドラ・ウルスタによる「歴史と未来の不確実性」を突く抽象的な作品は、それぞれ異なる視点からロンドンの文化的景観に新たな問いを投げかけることになるだろう。


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