応力状態から変形問題を評価するまでを簡単に解説してみた
構造物とは、道路やダムなど「複数の材料や部材などから構成され、基礎などにより重量を支えられた構造で造作されたもの」を基本的に指します。
構造物の剛性や耐久性など「安全」をどれほど担保できるかを評価する手法のひとつとして、自分が従事している「CAE」があります。
これらの問題で重要な物理量として「応力」があります。まさに構造物に掛かる力の話で「内力」とも呼ばれます。
今回は「応力」どのように捉えたら良いか、変形問題に関わるまでの話を解説したいと思います。
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今回は数年前に投稿した「降伏条件と降伏曲面について」という記事が現在も多く読まれていることを受けて、現在のスタイルに合わせて再編集(アップデート)しました。

内力(応力)の成分構成
物体の内部に働く力を「内力」と言いますが、この内力の特徴は「物体の断面に対して働く力」であること。この内力を「応力」と言います。
現実は3次元(3軸応力状態)として扱われることが一般的ですが、問題の性質次第では2次元(2軸応力状態)や1次元(単軸応力状態)という形で簡素化することもあります。

ここでは、3次元(3軸応力状態)を扱います。まず、ひとつの断面に対して働く力の方向は3通りです。そして、断面は3次元(3方向)のそれぞれに垂直な場合を想定するため、3X3(=9通り)の内力(応力)が存在します。
数学的に言い換えると9成分ということですが、物理を踏まえるならば、各断面に垂直な成分(垂直応力)が3通り、各断面に沿う成分(せん断応力)が6通りという構成になります。

応力状態に関する本質的な指標
応力状態の評価は3次元(3軸応力状態)を基本とします。しかしながら、9成分の全てを網羅的に見るのは煩雑になりがちですので、数少ない代表的指標に話を狭めます。
そのような代表的指標として「主応力」や「ミーゼス応力」が主に挙げられます。
主応力は3軸応力状態に対して座標変換(座標系を変換すること)を通して、せん断応力成分がゼロの状態(この時の3通りの垂直応力成分が主応力に対応)を意味します。
主応力に対応する座標系は、応力状態(変形)を本質的に評価する上では重要とされています。応力成分は数学的には正方行列の扱いになるので、固有値問題に転化することも可能です。

次に、ミーゼス応力は3軸応力状態を単軸応力状態に代表させた応力(指標)を指します。全てに適用可能な手法とも限りませんが、単純明快な形に置き換えられるので、非常に利便性が高いです。
$${\overline{\sigma}=\sqrt{\frac{1}{2}\Big\lbrace(\sigma_{xx}-\sigma_{yy})^2+(\sigma_{yy}-\sigma_{zz})^2+(\sigma_{zz}-\sigma_{xx})^2+6\,(\tau_{xy}^2+\tau_{yz}^2+\tau_{zx}^2)\Big\rbrace}}$$
ここで、単軸応力状態(垂直応力成分が1方向だけ有値な状態)で上記を適用すると、元来の状況に帰着することが分かります。
応力状態は物体の変形に直結する話ですが、変形において分岐点のひとつになるのが「降伏」です。降伏は物体の変形が弾性域から塑性域に移行する瞬間を意味します。
降伏を判定する際に参照される応力として、先述のミーゼス応力が一般的に用いられます。3軸応力状態における応力成分は複合的な形ですので、降伏の判定も容易ではありません。
ミーゼス応力を利用することで、現実の物体に対する現実的な降伏(現象)をある程度は定量的に判断することが可能になります。

おわりに
応力は変形問題に必要不可欠な物理量です。今回は変形に強い影響を及ぼす力の概念として、物体の断面に作用する内力(応力)を紹介しました。
先述の「主応力」や「ミーゼス応力」は、その中でも特に構造解析で多く使われる指標です。実際に顧客を交えた議論の場でも多く用いられます。顧客目線としては、分かりやすい指標と評価を示した方が意図が伝わりやすいです。
変形の理論的な話題は全然尽きません。連続体力学などの学問的背景の範囲で説明してきましたが、道のりは長いです。今後とも、知識を深めて分かりやすさを高めたいです。
🐍応力の捉え方として「テンソル」と呼ばれる概念があります。この辺の話もセットで次回に話をしたいと思います‼️
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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事があなたの人生の新たな気づきになれたら幸いです。今後とも宜しくお願いいたします♪♪
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