社会人のいま振り返る、あの時の高専進学の選択の話
高専を卒業してから、随分と時間が経ちました。
現在は、会社員としてCAE(数値解析)の仕事に携わりながら、noteでは理工学だけでなく、心理学や教育学についても発信しています。
専攻科課程を含めた7年間に渡る高専生活は、現在の自分のキャリアの原点と言うべき貴重な経験でした。
今回は、高専を卒業した社会人のひとりとして、高専進学という過去の選択を振り返ります。

高専は「高校」と「大学」のハイブリッド
高専(高等専門学校)とは、独立行政法人・国立高等専門学校機構が設置する5年制の高等教育機関です。
中学卒業からすぐに高度で実践的な専門教育を受けられることが、最大の特徴です。普通高校とはいくつか違いがあります。
5年間で基礎科目と専門科目の両方を学べる。
大学受験を飛ばしたカリキュラムが組まれている。
実験実習や卒業研究など実践型の側面が強い。
就職・進学先(大学編入・専攻科進学)が豊富である。
学生の自主性を重視した校風を掲げている。
また、博士号取得者をはじめとする高度な専門性を持つ教員が多く、大学に似た専門教育の環境が身近にあります。まさに、高校の勉学と大学の研究活動の両方を経験できる点が強いです。


高専特有の専門教育に関する苦労
高専独自のカリキュラムとして、数学や英語などの基礎科目や各種専門科目の他に、実験実習(レポート作成が必須)が設けられています。
電子機械(工作)やプログラミングなど様々な実践経験を積む中で、自分の適性や将来を考えるための判断材料を増やしていきます。
自分が高専進学を決めた理由は「数学や物理が得意だった」から。中学校で先生方に勧められるままに受験した流れでしたが、理工学分野で生計を立てる未来をぼんやりと想像していました。
持ち前の勤勉さを武器に、学業成績は徐々に上位に食い込むまでに。同級生に勉強を教える場面もありました。
一方で、実験実習では不器用さが目立ち、非常に苦慮しました。また、周囲とのコミュニケーションにも悩みがちで、多感故に自信を失うことも。真面目さだけではどうしようもない、苦い経験も沢山しました。

研究活動という人生の分岐点
それでも、高専進学に対する後悔はありません。その理由のひとつに、研究活動がありました。
卒業研究では「有限要素法」を通じて数値解析の世界に触れました。自分が得意とする数学が「ものづくり」に昇華される面白さを知りました。
研究テーマは専攻科過程でも継続となりました。ひとつのテーマに深く没頭したことが、CAEの仕事の基礎を作り上げました。
時間をかけて物事を深く追求するのは、自分の性格に合いました。学習環境がリセットされる大学編入には無いメリットだと思います。


高専時代の取りこぼしと学び直し
大学院進学を経て企業就職を果たしました。そこには、技術(知識)の未完成だけでなく、高専時代に取りこぼした「ヒューマンスキル」の問題にぶつかる自分が居ました。
周囲と協働関係を築くこと、自分の思考や意思を言語化すること、リーダーシップを発揮することなど……
専門性とは別の意味で大切な素養ですが、高専時代に克服できずにいたツケを払うことになりました。精神疾患と向き合いながらも、同時に心理学や教育学など新たな学びに目が向くようになりました。
理工学に留まらず、人や社会との関わりについて発信するのも、こうした経験が背景にあると思います。
教育学の観点で考えると、高専時代は年齢的に多感で成長幅も大きい。人間性の部分はどうしても自己責任に収まりがちですが、自分なりに現代の学生に「学び」を伝えたくて、発信の活動を続けています。

おわりに
コミュニケーションで悩んだこと、無我夢中で研究活動に励んだこと、理工学に限らず学び続けていること、今の自分に繋がっています。
一方で、高専を「専門知識を身につけるためだけの学校」として見てほしくない、という想いがあります。
高専は専門性を育てる環境であると同時に、人格形成の土台を固める場所でもあると考えています。
もし高専進学を考えているならば、目先の就職や進学だけではなく、ありきたりですが「この5年間を通して、自分はどんな人になりたい?」という問いを頭の片隅に置きながら、考えてみてほしいと思います。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事が、何か皆さんの未来を変えるキッカケになれたら幸いです。
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⭐︎⭐︎⭐︎ プロフィール ⭐︎⭐︎⭐︎
