「モネ 風景への問いかけ」展出品作⑧ モネ《ルーアン大聖堂 扉口とサン=ロマン塔、陽光》1893年

この記事では、アーティゾン美術館で開催中の特別展「クロード・モネ 風景への問いかけ」の出品作について解説します(この展示に関してはYoutubeで解説動画を公開中です)。

モネは1892年から、多くのヴァリエーションが存在する、大聖堂をモチーフとした絵のシリーズを手掛けています。
その連作に含まれる、モネの《ルーアン大聖堂:扉口とサン=ロマン塔、陽光》は1893年に描かれた作品で、現在はパリのオルセー美術館に所蔵されています。

キャンヴァスに油彩、107 × 73.5 ㎝、パリ・オルセー美術館
この絵では、フランス北部のルーアンの町にそびえる、大型の宗教建築のモチーフを縦に長い画面に大きく描写しています。
本作の画面を見ると、高さが1メートルを超える縦長の絵の上部には、青い色の空が見えます。

その下に、宗教建築の正面の部分を細部を省略しつつ表しています。

石造りの教会は、昼の明るい陽光に照らされた部分を白い色に輝かせています。

その一方で、影を作る箇所は青から黄色までの色彩で彩られています。

この同じ聖堂の正面の箇所を、同様の角度でとらえた別の作品も、同じくオルセー美術館に所蔵されています。

キャンヴァスに油彩、106.5 × 73.2 cm、パリ・オルセー美術館
こちらの絵は、早朝の暗い中に沈む聖堂の姿を、明るさの乏しい青紫の色彩を使って表現しています。

これとは対照的に👇本作は、光に満ちた晴れた空のもとの、日の光を積極的に反射する教会の姿の特徴をよく捉えています。

このようにモネは、同じ教会を表す連作の中で、屋外の建築モチーフが多種多様な太陽の光に照らされることによって、さまざまな明るさや色の調子を示す姿をよく表しています。

今回取り上げた作品の解説を含む、特別展の解説動画を公開中です👇
こちらもご視聴いただけましたら幸いです。
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