ただ今展示中⑧重要文化財《猿形埴輪》古墳時代・6世紀、東京国立博物館

この記事では、現在、東京国立博物館で観ることができる《猿形埴輪》についてご紹介します🐵

古墳時代・6世紀、土製、長さ:21.9㎝、高さ:27.3㎝、東京国立博物館
この動物埴輪は、古墳時代の6世紀の時期に作られ、茨城県の行方市の大日塚古墳で出土したと伝えられます👇

こちらの猿をかたどる埴輪は、残念ながら完全な状態では残りませんでした👇
具体的には、左右の両腕と、脚としっぽを含む下半身が失われてしまっています。

一方で大きめに作られている猿の頭部は、1500年の時を超えても比較的よく残っています👇
その頭は丸くて、その下の部分に緩やかに三角形をかたどる顔が作られています。

顔は実際の猿と同様に、赤く塗られています👇
この自然主義的で、目立つ色彩のために、鑑賞者の視線は像の面長の顔へといざなわれます。

顔の上の部分の、飛び出た眉の辺りの下では、目が横長の楕円形に穴をうがって表現されています。
目の間からは鼻が長く上下に通っています。鼻の下も、長く伸びています。
それから、口は水平に長く刻まれています。

続いて背中側に回り込みます👇
背中は一定の面積持つように造形されていますが、ここにもかつては存在したモチーフが失われてなくなっています。

すなわち、この猿の埴輪の背中には、以前には何かがくっつけられていて、しかし今ははがれてなくなった痕跡を確認することができます👇

この何かが剥がれ落ちた部分には、子猿がおんぶされていたようです。
このことは《犬猿の円筒埴輪》👇からも想像されます。
《犬猿の円筒埴輪》には、犬に追われて、子猿を背負って高所に逃げる親猿の姿が表されています。
この《犬猿の円筒埴輪》の親猿のように、今回取り上げた《猿形》

古墳時代・6世紀、群馬県・前橋市教育委員会
さらに《犬猿の円筒埴輪》の親猿👆と同様のポーズを《猿形埴輪》はとっています👇
つまり、右肩の方へと頭を巡らせて顔を横に向けています。
これは背中に負った子供の猿の方を顧みて、あるいは目くばせをしている姿であると考えられています。

このような子供を気にするようなポーズは、母猿の子を思う愛情を感じさせます👆
古墳時代の日本の人々は、動物にも人間のような感情が備わると信じていたのかもしれません。
このように今回取り上げた《猿形埴輪》は、古代の日本人が有していた、動物に対する関心をよく伝える貴重な作例となっています🐵

古墳時代・6世紀、土製、長さ:21.9㎝、高さ:27.3㎝、東京国立博物館
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