【元銀行員×現職補助金コンサルタント:かわむら】補助金採択の可能性が上がる?加点項目について
今回は、「かわむらさん」の13本目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。
こんにちは。大分県で補助金や財務のコンサルティングをしている「かわむら」と申します。
月に2回ほど谷本さんのnoteに記事を掲載していただいており、私からは企業が設備投資等をする際に活用したい“補助金”について、元銀行員の目線で発信していきます。
最近、補助金の加点項目って何なの?取った方が良い?という質問を受けることがあります。
コロナ禍では特に加点項目を取得していなくても問題なく採択されていましたが、最近は補助金の難易度も高まり、活用できる制度は何でも活用したほうが良いという考えにシフトしました。
今回は主な加点項目と取得方法のほか、支援機関はどのように関わるかを解説していきます。
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補助金の加点項目ってなに?

補助金の加点項目について説明する前に、審査方法を紹介します。
補助金ごとに審査方法が異なり、公募要領を確認することが前提ですが、補助事業の適格性や経営力、事業性、実現可能性、政策面、賃上げなどを基に点数化していきます。
例えば、適格性で審査対象となるか否かの一時判断後、経営力20点、事業性20点、実現可能性20点、政策面20点、賃上げ20点の合計100点満点のうち70点以上を採択とする、みたいなイメージです。
※点数の内訳や採択ボーダーは非公開なのであくまでもイメージ
仮にあなたの事業計画書が100点満点中65点と採点されたとします。
この場合、70点以上が採択なので65点のあなたは不採択となってしまいます。あんなに一生懸命作ったのに…
しかし、ここで逆転の目が生まれるのが加点項目です。
補助金ごとに加点対象や加点となる項目数に違いはありますが、仮に加点項目を取得して申請すると別枠で10点加算されたらどうなりますか?
65点で不採択となるはずのあなたの事業計画書が、75点で採択!なんていう逆転も起こり得るのです。
突然ですが、大学時代に単位を取るのに苦労した経験はありますか?
なかには試験70%、出席15%、課題15%の合計100%で評価される講義を狙った経験がある方もいると思います。
60%以上で単位認定の場合、全講義に出席し課題も提出していれば試験の点数は半分以下でも単位が取れるアレです。
単位取得に一生懸命になった経験がある方なら、補助金も採択されるように貪欲に行動したほうが良いと理解していただけると思います。
主な加点項目

続いて、主な加点項目を詳しく解説します。
①事業継続力強化計画
事業継続力強化計画は中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画で、ものづくり補助金や省力化投資補助金、小規模事業者持続化補助金等の加点項目となっています。
中小企業版のBCPとも呼ばれています。
自社の状況とそれに対応する事前対策を検討していく制度でそれほど難しい制度ではありませんが、申請にはGビズIDが必要となること、標準処理期間45日と時間がかかることに注意が必要です。
申請に不備がなければ2~3週間ほどで認定されることもありますが、申請件数によって認定までの日数は変動すると思うので早めに申請したほうが良いです。
最近は自然災害の被害も大きくなっているので、これを機に防災・減災について見直してみましょう。
②経営革新計画
加点項目の中で一番ハードルが高いのが経営革新計画です。
自社の所在地である都道府県に対して、「新たな事業活動」を行うことにより、「経営を相当程度向上させる」計画を提出し、承認を得る制度です。
主に、「新商品の開発や生産」、「新サービスの開発や提供」などが挙げられます。
金融機関や商工会議所など認定支援機関から伴走支援を受けて計画を策定する必要があり、企業単体での申請ができない点に注意が必要です。
ものづくり補助金や持続化補助金の加点項目となっている他に、都道府県単位での設備投資を対象とする大型の補助金でも加点項目となっているケースもあります。
経営革新計画は、構想→事前相談→申請→ヒアリング→プレゼン→承認となるスケジュールであり、承認されるまでの目安は2~3か月と比較的長期になります。
加点項目以外にブランディングや承認企業限定の補助金、保証協会や公庫の優遇制度の対象、都道府県からの独自支援などメリットは大きい制度です。
地域差はあると思いますが、経営革新計画は申請者をふるいにかけるような制度ではなく、より良い取組になるように都道府県も協力する制度で、プレゼンまで行ければ承認の可能性は高いです。
③パートナーシップ構築宣言、成長加速マッチングサービス
パートナーシップ構築宣言は取引先との共存共栄を目指す宣言で、ものづくり補助金や新事業進出補助金の加点項目となっています。
ひな形が公開されており、ひな形の作成から申請まで1時間程度で完了する取り組みやすい制度です。
申請から公開まで概ね1週間程度と短く、補助金が公募されてからの申請でも十分に対応可能です。宣言企業向けに後日、実施状況のアンケートが届くこともある点をご理解ください。
成長加速マッチングサービスは令和7年から開始されたサービスで、中小企業が課題を設定しサイト上で公開すると、登録している支援機関(金融機関や士業等)とマッチング、課題解決に向けたサービスを提供しますみたいな制度です。
登録にはGビズIDが必要ですが即日登録が可能です。
T〇nderとかP〇irsと違い、無料で利用できます。
正直、どの程度サービスが稼働しているかは不明なので、登録すれば課題が解決できると期待しすぎない方が良いのかなと思っています。
このサイトで一番有益なのが、補助金採択者検索機能があることです。
キーワードや所在地、補助金名で検索が可能なので、自社が検討している取組で過去に採択された企業があるかを探す時に役立ちます。
ただし、過去に採択事例があっても公募回が数年前のものであれば現在のトレンドとは合わない可能性もあるので、直近1~3回前の公募で採択されているかに注目しましょう。
④賃上げ
加点項目の中で最も影響が大きいと思われるのが賃上げです。
補助金の要件を上回る大規模な賃上げを目標に設定した企業は、採択の可能性が高いです。
しかし、大規模な賃上げ目標を達成できるだけの企業であるかは審査されますし、未達成の場合は補助金の一部返還や今後の補助金申請時に大幅な減点等のペナルティもあるので、リスクも考慮した実現可能な賃上げを設定するべきです。
支援機関はどのように対応すると良いか

複数ある加点項目ですが、経営革新計画は認定支援機関の関与が必須ですし、事業継続力強化計画も慣れていない中小企業が単独で取り組むには意外と負担が大きくなるものです。
そこで私が実践しているのが、補助金コンサルティング+加点項目フルパックです。
経営革新計画や事業継続力強化計画が加点となる補助金の場合、補助金コンサルティングのオプションとして取得できる加点項目を全て支援する料金も設定しています。
通常、経営革新計画や事業継続力強化計画の申請支援を単独のメニューとしていますが、補助金と関連付けて依頼した場合は別々に依頼するよりも割安になるなど料金体系を工夫すれば支援者の成約率向上や案件獲得の効率化も期待できます。
また、金融機関と連携して取り組むこともオススメです。金融機関も人手不足であり、事業先の経営支援に手が回らないこともあります。
銀行としては設備投資等に係る資金(補助金のつなぎ、自己負担分)を対応できますし、支援者はじっくり時間をかけて打合せした内容を共有することでお互いにメリットがある取組になります。
金融機関との連携では、メガバンクや地元の第一地銀よりも第二地銀や信金・信組の方が円滑です。
第一地銀は地元の顔として自行単独で支援できるだけの人員が揃っています。一方で第二地銀や信金・信組は本部に企業支援の部署がありますが、営業エリア全域を対応できるだけの人員まではいないことが多く、本部と支店間に距離があれば本業支援に十分に取り組めていないこともあります。
金融機関にとって痒い所に手が届く支援者の存在は需要も高く、融資先から相談されてもやんわりと断ってきた補助金を少ない労力で融資先の要望に応えることができます。
支援者はしっかりと成果を挙げることができれば、金融機関からの紹介案件だけで売上が安定するようになります。
その他、越境地銀は本部との物理的な距離があり、オンラインでの支援を嫌がる企業もいるので、越境地銀との連携も有効な選択肢になります。
特に、無資格の民間コンサルティング会社にとって、経営革新計画は認定支援機関の新規登録要件にもなるので重要度が高い制度です。
最近は補助金の申請で認定支援機関の確認書は不要なケースも多いですが、認定支援機関であればできる業務も増えるので、狙えるなら狙っていきましょう。
最後に

今回は、補助金採択の可能性を高めるために主な加点項目について解説しました。
一般事業主行動計画も加点となることはありますが、最近では申請要件となることが多く割愛しました。
加点項目を複数選択できる補助金もあれば、複数の項目から1つだけ選択する補助金もあるため、公募要領を確認した上で準備しましょう。
加点項目の中には、補助金の公募要領が発表されてからの準備では時間的にタイトになるものもあるので、過去の公募回も参考に早めに取り掛かるのも無難です。
主な加点項目について解説しましたが、事業計画書が審査の基本です。
加点項目なしでも採択されるならそれに越したことはないですが、補助金の認知度が高まった現在では取れる加点項目はすべて取っておくくらいの意気込みが必要です。
過去の記事でも解説しましたが、過度な節税で赤字続きの企業は補助金が採択される可能性も低くなる傾向ですし、そもそも補助金のテーマに合致しない取組では採択されません。
どの補助金を選ぶべきかは過去の記事でも解説していますが、ある程度課題が整理できたら専門家への早めの相談がベストです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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