【こはるフォト絵本4】クリスマスのおくりもの
しっとりとすべらかな白は
きみによく似合う

僕はずっとそう思っている

凍てつく空気が
光を纏った朝

ふわり、風にのり
きみのもとへと行けたんだ

窓枠で頬杖をつき
長い時間をかけて
ぼんやりと
空を見つめていたきみは

時おり
口にあてた人差し指を
甘く嚙むような仕草をみせ

そう、それは
いっしょに暮らしていた
あの頃のままで、
僕はたちまち
二人だった時間に戻ってしまう

たとえば思い出すのは
出逢って何度目かのクリスマス

ふっくらと、白い両の手を
口にあて、息をのみ

黒い瞳を
艶と濡らして

僕が差し出したちいさな箱を
喜んで受け取ってくれた日のこと、だろうか

あるいは
仕事に集中している僕の横で
気づけば
しかめ面で仁王立ちしていた
そのふくれた頬だろうか

今、いったい
きみは
何を想って
空を見あげている?

刹那、
風が立ち
木々が鳴り

きみの目が
かちり、と
僕を捉えた気がした

「おばあちゃん!」

可愛らしい声が
きみを呼ぶ

今宵は
家中が芳しい香りに満たされ

にぎやかで
穏やかな時間が
ちゃんと
きみをくるんでくれることだろう

風は止み
かたり、と椅子を引いて
きみが立ちあがる

そうだね
僕も往くよ

まだもう暫く先だろうけれど

つぎの僕も
また、かならず
きみを見つけるから

なんて
歯の浮くようなことを言ったら
「そんな調子いいこと言って」
と、きみは
頬をふくらませてみせるだろうか

それなら
それも悪くない、と

凪いだ風に言い置いていく

こんにちは
haruです
春の陽気となった日曜日に
クリスマスのお話で恐縮です
前回のフォト絵本
『あまい雨に想う』
と対となる物語を
一昨年のクリスマスに書きました
クリスマスに起きた
ちいさな奇蹟のおはなしです
偶然
サクラさんと訪ねた
「武相荘」という
白洲次郎・正子ご夫妻の
旧邸宅で出会った
〝白侘助〟という
白椿
春に出会った
深紅の〝ぼくはん椿〟との
なにか、ご縁を感じて
この物語を書きました
春から冬へ
季節を越えて繋がったフォト絵本
noteでは
仲良く
並べてあげました
気に入って頂けたら
うれしいです
それでは
また
来週日曜日に
ここでお会いできますように
haru
《御礼》
前記事
『あまい雨に想う』を
ひいろさんのマガジン
〝日色のさんぽみち〟に
加えて下さいました
静かな応援に
いつも感謝しています
ありがとうございます
蒼乃さんも
『あまい雨に想う』を
〝大切なお部屋〟に
迎えて下さいました
いつもほんとうに
励みになっています
ありがとうございます
だんけひつじさんの
〝2月のありがとう!〟の記事は
だんけひつじさんが
大切に交流されている皆さまの記事が
丁寧に紹介されています
こはるの中からは
『ぬくもり』を
好きな記事に選んで頂けて
光栄でした
ありがとうございます
