【こはるフォト絵本2】ぬくもり
ぽ、と温かい

あの日
胸に抱いたあなたの体温を
昨日のことのように覚えている

むっちりとちいさな手が
ぎこちなく
わたしの頭を撫でた日のことも

まっ赤な顔で
欠片のような歯をぬらして
泣いていた日のことも

そうね
あるいは

おでこにかかる髪を
ぽやと風になびかせて
わたしの胸に
飛びこんできた日のことだって

幾つもの日々を
まるで
昨日のことのように

けれど
思ったよりもずっと早く
あなたはわたしの背丈をこえ

たしかな思慮をはぐくみ

振り返りもせずに
あっけなく
巣立ってみせた

そして
わたしの知らぬ世界で
心を焦がし

かけがえのない人を得て

あなたもようやく
あなたの温かさに気づいたのね

もう
わたしにできることは
何もないんでしょう?

それでも

雨がやわらかな土に沁み入るように
いつかそのしずくが空へと帰るように

あのぬくもりに似たしあわせが
どうか
あなたの傍で
永く巡るように、と

呆れるほどつよく
つよく
わたしは願ってしまうのです

こんにちは
haruです
こはるフォト絵本2『ぬくもり』
さいごまで読んで下さり
ありがとうございます
いつものエッセイは
わたしが書いて
サクラさんが撮影する
というこはるですが
フォト絵本は
その逆
サクラさんに自由に撮影頂いて
そのお写真をもとに
わたしが文章を書く
という流れとなります
写真がまるで
ページをめくるたびに現れる
絵本の絵のように
たくさん散りばめられているので
"フォト絵本"
と呼んでいます
文章は
エッセイとは違い
完全にフィクション
詩でもないし
小説ほどでもない
主役の写真たちに
呼ばれて生まれた
絵本のようなお話です
今回のフォト絵本は
昨秋
サクラさんに秋の写真をお願いして
撮影いただいたものです
届いた写真を見て抱いたのは
深くて
あたたかで
普遍的な愛のような
荘厳なきもちでした
二十歳となる息子への
母としての想いと
十八歳で家を出たわたしを見送る
母の想い
重なるような
すれ違うような
いずれにしても
温かなぬくもりを感じる想いです
皆さんとも
つながる何かがあれば
うれしいです
それでは
よければまた
来週日曜日に
ここでお会いしましょう
haru
《御礼》
たよろよろ図書館DATABASEさんが
前記事『流れる』を
記事の中に取り上げてくださいました
多様で色とりどりの記事の中で
ご紹介下さり
ありがとうございました
また
『ばあちゃんの千代紙』
をひいろさんの
〝日色のさんぽみち〟マガジンに
追加くださいました
すてきな記事の中に
並べて下さり
ありがとうございました
