【日鉄ソリューションズ株式会社】どんな変化球も受け止める。事業部それぞれが挑むオープンイノベーション
みなさんこんにちは。ARCH編集部です。
2020年にARCH Toranomon Hills(以下、ARCH)が誕生して以来、多くの企業に参画していただく一方で、まだまだ出会えていない仲間もいると思います。そこで、「コラボレーションのはじめの1歩」となるよう、参画企業を紹介していきます。
第28回は、日鉄ソリューションズ株式会社です。同社はデジタル製造業センター、産業ソリューション、流通・サービスソリューション、ITサービス&エンジニアリング、そして人事や営業企画部門など、事業部ごとに新規事業に取り組むメンバーがARCHに参画し、それぞれが個々の専門性を活かしながら挑戦を続けています。今回は、各事業部ごとの取り組みを紹介。今後の共創の可能性についても語っていただきました。
企業プロフィール
日鉄ソリューションズ株式会社
日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)は日本製鉄を母体とするシステムインテグレータとして、製造・流通・Webサービス・金融・通信・官公庁などの幅広い業界に対し、システム開発・運用、コンサルティングといったITライフサイクル全般のサービスを提供しています。高い技術力とサポート力といった「鉄のDNA」を受け継ぎ、お客様が取り組む経営課題への抜本的な対応や新しいマーケット開拓等、真に価値のあるITソリューションを提供。2020年、本社を中央区から虎ノ門ヒルズビジネスタワーへ移転したことを機に、ARCHへ参画することとなりました。
ARCHに参画する事業部
NSSOLのARCHでの活動は、全社共通の新規事業部門が一体となって動くかたちではありません。MDXC・産業・流通・ ITS&E・人事本部・営業総括、各事業部がそれぞれ独自のテーマと目的を持ちながらARCHに集まり、活動しています。
一見バラバラに見えますが、それこそが我々の強み。製造・流通・インフラと、幅広いITソリューションを持ち、それぞれが深い業界知識を持つからこそ、どんな課題や技術が持ち込まれても、社内のどこかの事業部とつながる接点が生まれるのです。
デジタル製造業センター(MDXC)
MDXCは、製造業の顧客を横断的につなぎながら新規事業を推進する、10名強の少数精鋭部隊です。各事業部ではカバーしきれない新規事業の芽を探し、DXや事業企画を担っています。
テクノロジーを強みとするSIerとして、新規事業を生み出すには、技術の提供だけでは足りません。お客様の業界に根ざしたドメイン知識との掛け算こそが価値を生むと考え、協創できる場を求めて2025年6月にARCHに参画しました。
MDXCが取り組むテーマは2つあります。
1つは、モノ売りからコト売りへの「サービタイゼーション」。ビジネスモデルそのものを変える大仕事だからこそ、同じ熱量で一緒に走れる協創パートナーを今もARCHで探し続けています。
もう1つは、「Physical AI」。四足歩行ロボットを活用した設備点検・巡回監視の実証を進めつつ、マニピュレーションロボット、センサーやドローンも含め、形状にこだわらずに産業適応に取り組み、「現場で実際に仕事ができる状態」の実現を目指しています。


我々が解決したいのは、労働力不足と技能伝承の課題です。ロボットによる作業代替や、技能の共有・継承といった領域で、新しい答えを出したいと考えています。
ARCHの活動を通して気づいたのは、「自分はこういうテーマに取り組んでいる人間です」と名乗ることの大切さです。発信するだけで情報が集まり、相談や協力の輪が広がる。その実感がプロジェクトを前に進める原動力になっています。これからも、課題解決に「美しさ」や「面白さ」も織り込みながら、社会に貢献し続けていきたいです。

事業企画を担当し、主に製造業の顧客に向けた新規事業の創出に取り組む。Physical AI領域での産業適応やサービタイゼーション支援を通じて、事業の新しい価値づくりを推進中
ハードウェア領域の技術や業界特有の知見、フィールドでの検証などから、一緒に価値をつくっていけると、とても心強いです。『Yes, and』の精神で、楽しく・面白く・前向きに、社会への貢献を一緒に目指していきましょう。
ぜひ、一緒に挑戦しませんか?
産業
我々産業ソリューション事業本部は、2025年7月にARCHに参画し、新規事業の創出から始めて、サービスの社会実装、価値を皆様に提供するまでの推進を一貫して担当しています。
これまでの歩みは決して平坦なものではありませんでした。アイディアソンで新規事業の種を募り、STP分析・ビジネスモデル検討を経てソリューションの原型を作成するところから始まり、顧客ヒアリングやPoC計画を立てて進めたものの、壁にぶつかり断念。ピボットし、ターゲットを変更しながら試行錯誤を重ね、ついに世に出すところまで辿り着きました。
現在取り組んでいる課題は、物流の「2024年問題」です。ドライバー不足に象徴される労働力不足の課題解決を皮切りに、労働人口が減少する中でも各業界のサービス品質を維持・向上できるような仕組みをつくりたい。
まずは自治体向けサービスの展開を進め、次のパートナーとともにサービスを育てながら、いずれは日本のインフラ事業へと発展させることを目指しています。そこから、労働に対する新しい価値観や世界観をつくっていきたいと考えています。

主に鉄道会社や電力会社など、社会インフラ系の顧客を対象にエンジニアリングを担当。現在は新しい配送サービスを自治体に向けて展開している
前例のないビジネスモデルへの挑戦と、SIと比べて自由で自分次第な環境。社内では戸惑いの声もあり、ともすれば孤独になりがちな新規事業担当ですが、日々みなさまの熱意や応援の声、明るく未来を語る姿に元気づけられています。
ARCHに集うみなさまのやりたいことが1つでも多く叶うよう、微力ながら協力させていただきます!
流通
2024年10月にARCHに参画し、グロースサポート事業の検討や協業先のソーシングを中心に取り組んでいます。
今向き合っている課題は、スタートアップの成長支援です。社会課題の解決に向け熱量を持つスタートアップが多い一方、グロースし続けるためには乗り越えるべき壁がたくさんあります。NSSOLのアセットを活かしながら一緒に成長する。そんな共創のかたちを探っています。
ARCHで活動していると、自分が「NSSOLの代表として場に立っている」という意識が芽生えました。会社の中期経営計画や課題を読み込んだり、グローバルな視点で物事を考えるようになったりと、自分自身の変化も感じています。
今後は数ヶ月の米国駐在を予定しており、現地のスタートアップとの協業や最新技術動向を肌で学んで日本に持ち帰りたいと考えています。

第一事業部と本部直下のDXイノベーションセンターを兼務し、新規事業系の活動を担当。本業ではITディレクターとして顧客の上流支援を担いながら、社外協業のソーシングや協業検討も進めている
ITの基盤とソフトウェアの専門性に加え、大規模PJのノウハウを持つディレクター人材が在籍し、立ち上げから一緒に最適なプロダクトをつくれることが我々の強みです。一方で、これからのAIはハードウェアやデバイスで現実世界とデータを結びつける必要がある。そこを一緒に担える方と組みたいと思っています。
新しいことへの挑戦は、社内の壁にぶつかって挫けそうになることもある。そんなときも未来に向けてポジティブに話せる皆さんとの関係を、これからも大切にしていきたいです。
ITサービス&エンジニアリング(ITS&E)
AIの活用が今後必須になることが予想される昨今、規模も業種もさまざまな日鉄グループ各社にAIを活用してもらうため、新規事業としてAIサービスを企画しています。推進にあたり外部知見を求め、2025年10月にARCHに参画しました。
これまでの取り組みとしては、日鉄グループ会社向けのAI活用ビジョンを策定。日本製鉄グループの顧客約40名を集めた勉強会を2ヵ月に1回のペースで開催しています。内容は、AIトレンドの講演、行政動向に関するコンサルの講演、社内活用事例紹介の3本立てで、各社のAI活用の課題感・取り組み状況をヒアリングしながらサービス企画に反映しています。
ITS&Eが解決したい課題は、将来の人手不足と日鉄グループ全体の競争力向上です。大小含め500社以上ある日鉄グループ会社全体のAIリテラシー向上と利活用の旗振り役を担い、ITS&Eのスローガンである「Make IT Sustainable」を体現していきたいと考えています。
ARCHで活動するようになり、各社のAI活用に関する生の声が聞こえるようになってきました。プラットフォーム選定への悩みや製品導入後の利用率が上がらないこと、技術の進化が速すぎてついていけないなど、NSSOLがハブとなって解決していく価値があることを実感しています。すでに案件も11件走っており、受注3件を達成しています。今後は個社への個別提案から、共創的なアプローチによるサービス化へとステージを上げていきたいです。

インフラ部門を担当し、チームマネジメントに並行して日鉄グループ会社のAI活用推進・サービス企画を行う
AI関連のトレンドや活用推進、事業への組み込みなど、AIというキーワードでお悩みのことがあれば、気軽になんでもご相談ください。
一方でARCHの会員の方々には、新規事業の企画だけではなく、事業創造のフレームワークや、ノウハウなどの具体的なアドバイスもいただきたいですし、事業を大きくしたご経験や事業として回り始めるまでの苦労など、泥臭い話も聞かせていただけたら嬉しいです!
人事本部
2021年にARCHに参画し、以前はIoT関連部署でITを活用した農業の効率化・安全性向上に取り組んでいました。「ゆず生産のスマート農業実証プロジェクト(2020年~2022年)」では、ARCHで知り合ったブリヂストンの方と一緒に高知の北川村の問題を解決する取り組みを行い、テレビ東京でも取り上げられ、社内でもARCHの活動を知ってもらえるきっかけになりました。
現在は産学連携担当として、大学での寄付講義の運営や大学と協働した理工系女性人材育成イベントの企画・運営を手がけています。
取り組みを通じて見えてきた課題は2つ。スマート農業などによる地方創生と、少子化・産業構造の変化にともなう人材不足への対応です。特に後者は、多様な理工系人材を育てることで、社会全体の底上げにつながると考えています。
社内では未知の分野への挑戦が社員の視野を広げ、エンゲージメント向上にもつながっています。外部との協働から得られる知見やネットワークは、社内だけでは得られない財産です。今後も産学官の連携を深めながら、社会課題の解決と新しい価値の創造に貢献していきたいと考えています。

産学連携を担当し、主に寄付講座の運営や大学との連携・協業活動を推進する役割を担う。大学での寄付講義運営や講師派遣、理系女性育成などの取り組みを推進している
当社が持たない技術や知見を持つ方々と切磋琢磨しながら、協働関係を築いていきたいです。「井の中の蛙」にならないよう、社内だけでは得られない多様な世界をARCH会員企業の皆様と一緒に広げ、社内にも還元していきたいと思っています。
営業総括
当部は2020年にARCHへ参画して以来、主に他社のイノベーション部門との接点づくりや自社技術のマーケティング、リサーチなどを担ってきました。あわせて、事務局として情報連携や広報にも携わっています。
会社として2030年に向けて掲げるのは、「Social Value Producer with Digital」という、デジタルの力で社会の未来を描き、実現するというビジョンです。個社最適を超えて産業・社会全体の変革をリードするため、外部連携や共創を前提とした活動を加速させています。その実践の場として、ARCHを今後さらに積極的に活用していきたいと考えています。
そんな中、現在特に注力しているのが、ARCHでの取り組みをNSSOL社内にしっかり届けることです。活動を知ってもらうことで「他社との共創は面白そうだ」「自分もやってみたい」という意識を持つ、隠れた共創人材を発掘したいと思っています。

広報の面では、経営層にも現場にも届くメッセージ設計や、社内報・各種イベントといったチャネルごとの最適な見せ方、さらに発信を継続するための工夫について、知見をお持ちの方にぜひ学ばせていただきたいと思っています。

全社マーケティングや営業推進担当として営業力強化に取り組む。狩野さん自身は2023年に参画
大企業には、大企業だからこそ活かせる強みやアセットがたくさんあります。それらを堅いものとしてではなく、社内外の人が前向きに関わりたくなる「楽しさ」へと変えながら、共創の輪を広げていきたいです!
私たちの強み / 今、求めている技術・人・企業
NSSOLは、日本製鉄の新規事業であった情報部門が独立して生まれた会社です。現場に根ざし、難しい課題にも粘り強く、丁寧に向き合うスピリットは、今も脈々と受け継がれています。
我々の強みをひと言で表すなら「どんなボールでもキャッチできる」こと。あらゆる業界の企業を顧客にシステム開発を手がけてきた実績から、業界を熟知したメンバーが揃い、上流の構想段階から顧客目線で一緒に入ることができます。構想から実装、運用まで走り抜ける現場力と、サービスとして成立させる構築力を価値として提供できます。
皆さんに一言
「どんな変化球でも大歓迎。パソコンの中で完結しないビジネスのお誘いを歓迎します!」
今回ご紹介した通り、メンバーたちは会社の窓口としてではなく、事業部ごとに個別に活動しています。そのため、一見するとどこに声を掛ければいいのか分かりにくく捉えられがちですが、事業部同士の横連携はしっかりあります。
誰に声をかけていただいても柔軟に繋いでいくことができるので、やりたいことが決まってからでも、まだ漠然としている段階からでも構いません。
「ロボット」や「Physical AI」のように、分かりやすい旗を掲げているメンバーはもちろん、もしピンと来た事業部があれば、ぜひお声かけください。豊富なリソースへの扉が開くはずです。

NSSOLは製造業に近く、「もの」と「IT」をつなぐ領域が強いSIerだからこそ、メンバーは現場仕事が好きな人ばかり。
ARCHでも、パソコンの中で完結しないビジネスのお誘いをお待ちしています。現場に行かなければ始まらないサービスや、地方に行くことで利益を生むようなサービスなどを、ぜひ一緒にやっていきましょう。
