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【一級建築士・院試対策】西洋建築史⑧ ルネサンス建築|比例と幾何学の成立(語呂で覚える)

構造から比例へ

ルネサンス建築では、構造ではなく比例によって空間が成立します。

ゴシック建築が構造技術によって空間を成立させたのに対し、

ルネサンス建築では、
古代ローマ建築の再評価により、
幾何学と比例によって空間が決定されます。

構造から比例への転換


建築構成

半円アーチ
列柱(オーダー)
ドーム
正方形・円
対称性

空間は幾何学で統制される


時代区分(重要)

初期ルネサンス

古典の再発見と構法の再解釈の段階。比例体系が確立される。

盛期ルネサンス

比例と幾何学が完成し、理想的均衡が実現される。

後期ルネサンス(マニエリスム)

完成した秩序を操作し、空間に緊張や変形を与える段階。


ここでは

カンピドリオ広場
ヴィラ・ロトンダ
バシリカ・パラディアーナ
フィレンツェ大聖堂
テンピエット
ラウレンツィアーナ図書館

の順に見ていきます。


カンピドリオ広場(後期ルネサンス/マニエリスム)

ローマに建てられた広場で、設計はミケランジェロによります。

この計画では、古典的秩序を前提としながらもそれを逸脱し、軸線を意図的に操作することで空間が構成されています。広場は台形平面として構成され、遠近補正によって奥行きが強調されています。中心にはマルクス・アウレリウス騎馬像が据えられ、周囲の建築と一体的に構成されています。

また、都市に対して斜めに開くことで直交的秩序から逸脱し、幾何学を操作した空間構成が成立しています。これは比例や幾何学を前提としつつ、それを崩すマニエリスム的特徴を示しています。

このような空間操作は、後のバロック建築へと継承されます。

カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館:引用 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali

ヴィラ・ロトンダ(盛期ルネサンス)

ヴィチェンツァに建てられた住宅で、設計はパラディオによります。

平面は正方形と円の組み合わせによって構成され、四方向に同一のポルティコを持つ四面対称の構成となっています。中央にドームを配置し、全体が厳密な比例関係によって統制されています。

このように、比例構成と幾何学を基調とした空間が純粋な形で実現されており、盛期ルネサンスにおける理想的空間の完成形と位置付けられます。

ヴィラ・ロトンダ 引用:Wikipedia

バシリカ・パラディアーナ(盛期ルネサンス)

ヴィチェンツァに建てられた建築で、設計はパラディオによります。

既存建築の外周にロッジアを付加する形で計画され、ファサードには**セルリアーナ(中央アーチ+両側矩形開口)**が反復して用いられています。この反復により、立面に明確な秩序とリズムが与えられています。

比例と幾何学に基づく反復構成によって立面が統制されており、盛期ルネサンスにおける比例的立面構成の体系化を示しています。

バシリカ・パラディアーナ:引用 https://mus3ums.com/ja/italy/vicenza-veneto/basilica-palladiana-vicenza-venetoitaly/

フィレンツェ大聖堂(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)(初期ルネサンス)

フィレンツェに建てられた大聖堂で、設計はブルネレスキによります。

この建築では、巨大なスパンを覆うために二重殻ドームが採用され、古代ローマの構法が再解釈されています。構造的合理性とともに、円形を基調とした幾何学と比例によって空間が統制されています。

このように、比例と幾何学による空間構成が初めて明確に実現されており、初期ルネサンスにおける成立段階を示す建築です。

フィレンツェ大聖堂(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂):引用 https://italiarinasc.cloudfree.jp/HText/CattedraleSMariaFiore.htm

テンピエット(盛期ルネサンス)

ローマに建てられた小聖堂で、設計はブラマンテによります。

平面は円形の集中形式で構成され、周囲を列柱が取り囲む構成となっています。寸法や構成は厳密な比例に基づいて決定されており、幾何学的秩序が極めて純粋な形で表現されています。

また、ドリス式オーダーの表面の溝彫り(フルーティング)が確認できないパターンのトスカナ式オーダーを使用しているのも特徴です。

このように、比例と幾何学による空間構成が完全に達成されており、盛期ルネサンスにおける集中形式の完成を示す建築です。

テンピエット:引用 https://ryo-yasukawa.com/renaissance-tempietto-modern/

ラウレンツィアーナ図書館(後期ルネサンス/マニエリスム)

フィレンツェに建てられた図書館で、設計はミケランジェロによります。

柱が壁面に埋め込まれるなど、古典的秩序が意図的に崩されており、比例や幾何学の関係が操作されています。また、階段は流動的かつ彫刻的な形態を持ち、空間に強い緊張と動きを与えています。

このように、比例や幾何学を前提としながらそれを逸脱する構成は、後期ルネサンスにおけるマニエリスムの特徴を端的に示しています。

ラウレンツィアーナ図書館:引用 https://www.designfarm.org/dfblog/4164/

マニエラの理解(重要)

マニエリスムとは、

完成した比例・幾何学的秩序を操作する段階

である。

・ずらす
・歪める
・埋め込む

といった操作によって、空間に緊張を生み出す。


※以下は語呂合わせによる暗記法の紹介です。

本語呂はバロック建築の事例4つとその特徴を覚えやすい方法で覚えることが簡単にできるチート級の語呂合わせです。

ルネサンス建築の代表6事例が曖昧な方や、確実に得点したい方には非常に有効な暗記法となっています。一級建築士試験と大学院試験の双方のレベルに合わせた語呂となっています。

本語呂は、わずか24文字で「ルネサンス建築+代表6事例」を同時に記憶できるように設計しています。

私自身、この語呂を用いることで、一級建築士試験および模試において西洋建築史の問題を一問も落とすことはありませんでした。

確実に合格を目指す方は、ぜひご活用ください。

なお、本語呂は独自に作成したものであるため、無断転載や再配布についてはご配慮いただきますようお願いいたします。


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