プロフェッショナルの頂と、黒い絵と。
黒い海の中心に、1つの小さな島が浮かぶ。
鋭い日差しを回避しようと、いわし雲が逃げ惑う。
煉獄が波を打ち、島に近づく者を容赦なく飲み込む。
ここは、絶海の孤島。
そんな妄想を抱きつつ、黒いスープを1口飲む。
濃厚なイワシと、醤油の香りが気分を高揚させる。
白い細ネギと、分厚い焼豚も援護して。
初めて食べるラーメン「富山ブラック」に少し困惑する。
独特の後味。
例えるなら、青汁。
苦い顔をしながら、でも癖になる感じ。
黒の魅力に取り憑かれる。
湯気の向こうに幻想が見える。
1枚の黒い絵。
GWに訪れた「谷川俊太郎 絵本 百貨展」で出会った作品。
お土産コーナーの隅に置かれた画集の中に……。
黒い四角の靄(もや)の中に、2つの緑のお皿を浮かべて。
その間に黄色のステッキを添えて、その下に赤いテープを引く。
落書きのような。不思議な絵。
スゥーーーーーーーー。フゥーーーーーーーー。
僅かな息が聞こえてくる。
獲物を前にしたスナイパーが顔を覗かせる。
ドン………。
僅かな余韻と共に。
頭を撃ち抜かれる。
瞬きもできないままに。

パウル・クレーの絵画『黒い王子様』を見た者に感情の波が押し寄せる。
ある者は喜びを。ある者は怒りを。
ある者は悲しみを。ある者は楽しさを。
ブラックホールのような1枚の絵。
すべてを飲み込む、至高の絵。
光も、音も、感情も、すべて飲み込む。
いや、色も時間も心も、混ざり合って黒になる。
黒の王子様と、1人の黒いスナイパーを重ねてみる。
すべて飲み込む、その先に孤独が見える。
いや、集合体の名前を孤独と呼ぶことにしよう。
太陽と月と地球を合わせて、天の川銀河と呼ぶように……。
