写真詩|恋の答えは照らされない
雨の反射が、街を二重にする。
本物の道と、濡れた道。
どちらが正しいかは、光だけが決める。
街灯がオレンジで、提灯もオレンジで、
店内のライトもオレンジで、
まるで世界が「大丈夫だよ」と言っているみたいだ。
こういう優しさは、たいてい嘘だと知っているのに、
僕は、嘘のほうを信じたくなる夜がある。
大人になると恋愛は、減点方式になる。
最初に好きになるんじゃない。
まず「無理じゃない」を探して、
次に「面倒じゃない」を選んで、
最後に「一緒にいられる」を残す。
それは賢さかもしれないし、
ただの臆病かもしれない。
たぶん両方だ。

僕の普通は、年々狭くなる。
狭いくせに、やけに頑丈だ。
崩れないかわりに、広がらない。
その中に入れる人が、好きなのか。
それとも、入れてしまったから好きなのか。
順番が分からない。
もうドキドキなんて感覚もなく
胸が鳴る前に、頭が採点を始める。
加点はほとんどないのに、
減点だけは、なぜか細かい。
恋の採点表なんて、
本当は持ちたくないのに。
だから教えてほしい。
何で人を好きになるんだろう。

僕はもう、いろいろ一人でできてしまった。
買い物も、映画も、引っ越しも、寂しさの処理まで、
だいたい自分でできてしまった。できてしまうことが、
こんなに不利だとは思わなかった。
僕だけが外側で、
「好き」がどこに落ちているか探している。
もし好きになるきっかけがあるなら、
それを落とした場所を教えてほしい。
僕は拾い方を忘れたわけじゃない。
ただ、拾う理由が見つからないだけだ。

それでも、オレンジの灯りは、
雨の上に、ちゃんと道を作る。
歩けと言われている気がする。
恋の方へ、というより、
もう少し人間の方へ。
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