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スーパーとドラッグストアの裏側を、AIで動かす。金沢の物流専業を読む

売上高は330億円あまり。物流業界では、決して大きな会社ではない。だが、この小さな会社は、株主の出資額に対してどれだけ効率よく利益を生んでいるかを示すROEが、17パーセントを超える。多くの大企業が10パーセント前後で苦戦するなか、これは際立って高い数字だ。小さくても、強い。そういう会社である。


社名は株式会社ビーイングホールディングス、証券コード9145、本決算日は12月31日、直近の本決算は2025年12月期だ。石川県金沢市に本社を置く、物流専業の会社である。

この会社が手がけるのは、3PLと呼ばれる物流の一括受託だ。スーパーやドラッグストアといった顧客の物流を、保管から仕分け、配送まで丸ごと引き受ける。さらにこの会社は、その先を行く4PLという領域にも踏み込んでいる。自社で運ぶだけでなく、同業他社の物流まで設計し、サプライチェーン全体を管理する。物流の現場を担うだけでなく、物流そのものを設計する会社へと進化しようとしているのだ。

そして、この会社にはもう一つ、際立った特徴がある。財務の劇的な改善だ。上場前のこの会社は、自己資本比率がわずか13パーセント、借金が自己資本の四倍を超える、借金漬けの状態だった。それが、2020年の上場と、その後の利益の積み重ねによって、いまや自己資本比率40パーセントの健全な会社へと生まれ変わった。わずか7年の変貌である。

この記事では、2021年12月期から2025年12月期までの5期分の一次資料をもとに、金沢から物流を設計する、この小さな高収益企業の姿を追う。

第1章では、この会社がどんな会社で、3PLと4PLとは何かを描く。第2章で、連続増益という成長の軌跡と、足元の踊り場を読み解く。第3章で、借金漬けから健全財務への劇的な変貌と、高いROEの秘密を見る。第4章で、創業家が率いるオーナー企業としての株主構成と、株主還元、リスクを考える。そして最終章で、10年後もこの会社が立っていられるかを評価するフレームを示す。

地方都市の金沢から、全国の小売や食品の物流を支える。そして、AIを使って物流を効率化し、他社の物流まで設計する。小さくても、技術と戦略で勝負する物流企業。その姿を、企業を見つめる隣人の目線で読み解いていく。

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