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公表するもしないも自由な祝電

 2020年当時中国の総書記だった習近平と、総理だった李克強が揃って、総理に就任した菅義偉さんに祝電を出したのは、森喜朗以来20年ぶりという記事を書いていたのを思い出した。

 その後、日本は岸田文雄さん、石破茂さんと総理が代わっていくものの、総書記と総理がそろって祝電を出すのは変わらなかったのだが、10月21日に総理に就任した高市早苗さんが祝電がもらえていない事態となった。

 日本側は個々の内容には応えないとの姿勢なので、来ているのかわからない。そもそも、もらう側が何を言っても証拠にはならない。お互いが発表するのがベストだが、少なくとも送った側が「送りました」と公表しないと意味がないのである。

 外交部の定例記者会見では、10月23日に読売新聞が質問していた。

《读卖新闻》记者:岸田文雄和石破茂就任日本首相时,中国领导人都发了贺电。这次是否会向高市早苗首相发贺电?
(読売新聞「岸田氏、石破氏が総理に就任した際、中国の指導者は祝電を送っている。今回、高市氏には送るのだろうか」)
郭嘉昆:中方已经根据外交惯例作出适当安排。
(郭嘉昆「中国側は外交的慣例に則り、適切に手配している(以下、日中関係についてなので後略)」)

"2025年10月23日外交部发言人郭嘉昆主持例行记者会"より

 習近平は2期目あたりから手紙魔になっており、国家指導者への祝電や弔電はおろか、国内団体への祝電や、海外の謎団体からのお手紙にも律儀に返信するという筆まめ振りを発揮している。

 直近だと、南でボリビアのパス氏が大統領に就任したと聞けば祝電を送り、東で村山富市さんが亡くなれば弔電を送っている。

 もちろん筆まめになったのではない。祝電や弔電自体は、それこそ郭嘉昆が言う通り、外交的な慣例に則って昔から送っていたはずだ。それをわざわざトピックとして大々的に扱っていなかっただけだろう。

 大々的に扱い始めたのは、「習近平が手紙を送った」ことをトピックとして水増しし、新闻联播で李克強(現在は李強)以下にトップニュースを譲らないためとしか思えない。

 習近平のトピックが増えるのだから、祝電などすぐに送ってそうなものだが、公表されないから外交部で前出のような人を食ったようなやり取りが展開される。それでも公表は一向にされない。

 祝電を出さない状態は国交断絶前夜くらいの関係性だと思うので、出していないとは到底思えないのだが、出したことを執拗に公表しないのは度量の大きさを感じる。

 APECで韓国を訪問中の習近平は10月31日、タイのアヌティン総理には、シリキット王太后が24日に逝去したことに言及しお悔やみを述べている。

 一方、同日に会見した高市さんにはおめでとうの一言がない。言った言わないではなく、出さないのが度量の大きさを感じるし、さすが大国だと言わざるを得ない。

 ただ、習近平が仏頂面だったのは高市さん相手だけではないことは指摘しておきたい。当日の彼は誰に対しても愛想が無かった。

カナダのカーニー総理と
タイのアヌティン総理と
高市さんと

==参考消息==
https://www.gov.cn/xinwen/2021-10/04/content_5640969.htm
https://www.mfa.gov.cn/web/zyxw/202410/t20241002_11502244.shtml
https://www.mfa.gov.cn/web/fyrbt_673021/202510/t20251023_11739394.shtml
https://tv.cctv.com/2025/10/19/VIDEPfoBLUPlChxLjPa1dZao251019.shtml
https://tv.cctv.com/2025/10/24/VIDEsoHIh5E11nkTZW7MQThf251024.shtml
https://tv.cctv.com/2025/10/31/VIDEG89MyDesDO4wTEVdD2ao251031.shtml
https://tv.cctv.com/2025/10/31/VIDE2a7EHMALNYed9X65xxnv251031.shtml
https://tv.cctv.com/2025/10/31/VIDEwJgaAICxModKEfFAgP5P251031.shtml

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