桜の語源、芙美乃の勝手に新解釈♪
ショートストーリーとちょこっとエッセイ♪
【梅蔵と小梅】
遠い遠い昔のこと。
冬が過ぎ暖かい陽射しが降り注ぐ彼岸入り。
命の蕾はふっくら膨らんだ。
『おまえさん、みてごらんよ。もうすぐ産まれるねぇ…』
『あっ!また俺らより目立とうとしてるのか?あいつら…。俺らより大所帯で綺麗だからって匂いも出さねぇくせに俺らより人かき集めやがって!こんちくしょう!』
『やだよぉ、おまえさん。僻んでんのかい?
あたしらは気高く高潔に生きていくんじゃなかったのかい?
それにあたしらは育ててくれた人だけに誉めてもらえりゃそれでいいのよ。
忠実ってやつ。
ほら、この前も菅原道真さんを追いかけて九州まで飛んでいった仲間がいたでしょ?
あたしらは育ててくれた人にお慕いすればそれでいいのよ。
それにいざとなれば空も飛べることもわかったんだし』
『あっ、おめぇも本当はあいつらに対抗心持ってたりすんじゃねえのか?』
『えっ!あたしが?そんなことないわよ?』
『ほんとかぁ?だったらおめぇに貝殻の首飾りを持ってきてくれるはずのウグイスはどこ行った?
ほれ、見てみろ。あいつらが首にかけてる貝の首飾りはなんだ?』
『えっ!?あっ、あぁーー!なんで?』
『聞いた話だが、新米ウグイスが間違えてあっちに届けちゃったらしいぜ。
ほら、その貝の首飾りを人間が首に掛けちゃったよ。周りの女たちもきゃっきゃらきゃっきゃら騒いで集まってきやがった。まだ花も咲いてねぇのによ。
ん?まてよ…あ~、そうか…もしかしたらあの女たちは仕込みの花見客かもしんねーな』
『なんだいおまえさん、仕込みの花見客って』
『まぁ、手っ取り早く言えば咲かないところに花を咲かすってとこかな。芝居小屋にもいるらしいぜ。仕込みの客…芝居をただで見せてやるから、芝居の途中で役者に声かけて盛り上げてくれってやつよ』
『あぁ、そこの芝居小屋でもお芝居中声聞こえてくるやつかい?』
『そうよ!あれは紛れもねぇ仕込み客だ。おめぇは寝てたから知らねぇだろうが、芝居小屋の奴と仕込客が俺たちの横で話してたの聞いちまったのよ』
『咲かないところに花を咲かすって…そいじゃおまえさん、夢のお告げでお金持ちになった花咲じいさんも同じなのかい?
あそこの花と同じ花だったんじゃなかったっけ?』
『風の噂じゃ、あのじいさん本当に金持ちになったらしいぜ。咲くはずのねぇ花が咲いて、それをいいことに出店出して儲けたらしいよ』
『あ、おまえさん、見てごらんよ。あそこに庄屋さんの娘さんが綺麗な着物着て、町娘の貝の首飾りを見てるよ』
その光景を別の場所で見ていた若殿。
庄屋の娘に一目惚れ。
まだ花が開いていない木の下で綺麗な着物の花が咲いていた、と殿様である父上に話をしたのです。
お殿様は暫し思案したあと大きな木の下で貝の首飾りを着けて綺麗な着物を着ていた庄屋の娘と町娘が笑いながら話をしているところを頭の中で描き、息子である若殿に話しかけた。
『その大きな木は何という花なんだ?』
若殿はお花見で賑わう花、と応えたところ…
お殿様はその木を生命力の溢れた若い芽、蕾と娘たちの華やかさから櫻児(みどりご)と命名したのでした。
しかし花が咲き乱れると、花咲く爛漫(はなさくらんまん)や、咲く等(ら)と言うものもいて、お殿様は再び思案するのでした。
見事な咲きっぷりの花の下で貝の首飾りを着けて、花に手を伸ばす華やかな着物を着る女たちを見たお殿様。
櫻児(みどりご)改め、櫻「さくら」と改名したのでした。
その名は、あっという間に広がり古くからお花見として愛でられていた梅を凌ぎ、お花見を代表する国の花、桜となったのであります。
『なぁ、小梅。あの花、さくらっていう名前になったそうだぞ』
『みんな楽しそうだねぇ。花咲く爛漫とか咲く等(ら)とか言われてたけど…さくらか~。お似合いの名前だね。そう思わないかいかい?おまえさん』
『まぁな、でもよ、俺はバタバタ落ちる花弁みると(ばったもん)とも言いてぇけどな。
見てみろよ、花見に集まる客目当てに出店じゃ粗悪品が売られてるらしいぜ。
有名どころの偽物の簪(かんざし)なんかはすぐに壊れるらしい。
だから花見のその時だけでも売れりゃあいいって偽物の簪(かんざし)だからバタバタ値が下がるらしいやな。
そんな出店の奴等もばったもんと言いてぇなぁ、俺はよ』
『それでも女は自分を綺麗に見せたいからね。
偽物だと分かってもついつい買っちまうのさ。
出店の仕込の客も多いらしいっていうじゃないか。
花見に乗っかった商売で仕込の客を使うのも、花咲かじいさんの真似なのかねぇ…。
これからは仕込の客を(さくら)って言うのもいいんじゃないかい、おまえさん』
『おっ、小梅。うめぇこというじゃねぇか。梅だけによ』
梅臓は小梅の言うことに大きく頷くのだった。
おしまい。。。
桜には女性的な意味も強く含まれているそうです。桜は崩した文字らしく、櫻、こちらが本来の文字にあたります。
桜は崩した文字。
でも、この「桜」の文字の方が、女性が木の下で花に手を伸ばしている様子がピッタリだと思います。
櫻という字には女と貝で嬰【みどりご】と読み、産まれてまもない赤ん坊を現す意味があります。赤ん坊は守るべきもの、守らなければならないもの、その赤ん坊を宿す女性。
木へんに嬰、、、守らなければならない木、大切にしなければならない、という意味が含まれているそうです(*^^*)
そして貝の首飾りをつけた女、【嬰】も女性を現しているようです。
櫻は、やっぱり女性的なものなのですね。
こういうところを踏まえて、私なりの解釈でショートストーリーで書いてみました(笑)
上記のお話は事実を踏まえたお話ですが、創っている部分もありますので話半分で読んでくださいませ(^^;
季節外れに咲く桜を(狂い咲き)と言われていたことを思い出しました。
中には冬桜ではない桜も気候の条件次第で季節外れの開花をしてしまう早とちりな桜もあるようですが、冬桜にとって季節外れではない二度咲きの桜。
冬桜を見て(狂い咲き)というのは可哀想ですよね。
私も冬桜を見極められる人になろうと思います♪
そんなことを思いながら、終わりにしたいと思います。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました😊
またきてね(@^^)/~~~♪
今回の記事は、2024/11/27【紅葉の中で】という記事のなかで冬桜をテーマに書いた中の【桜の語源、芙美乃の勝手に新解釈♪】のショートストーリーをマガジンに入れたく抜粋したものです。

