療養中に出会った1匹の猫③~「ガオーン」と呼んでいた季節~
少し大変な季節
前回、体調の変化を猫が伯母に知らせて
くれていたらしい、という話を書きました。
実はその子には、もうひとつ、少し大変な時期がありました。
私たちはその大変な時期を、「ガオーン」と呼んでいました。

避妊手術は受けていたのですが、うまくいかなかったようで、定期的に発情のような症状が出ていました。
2か月に一度くらいの間隔で、1週間ほど続きました。
特に夜になると、
家の中に響くような大きな声で鳴きます。
昼間はぐったりして眠っていることが多く、
体力も消耗しているようでした。
人間もその間は、少し寝不足になります。
でも一番つらいのは、
きっと本人だったと思います。
うまくいかなかった手術
当時、近所で紹介してもらった動物病院で手術を受けていました。
その病院は、今はもうありません。
後になってから、
少し不安を感じる雰囲気があったと聞きました。
診察室があまり整っておらず、薬も何かの合間から取り出してくるような、落ち着かない雰囲気だったそうです。
詳しい事情は分かりませんが、
結果として再手術が必要な状態でした。
最終的には、大きな動物病院で改めて診てもらうことになりました。
ガオーンの間

不思議だったのは、
その時期になると、なぜか私のそばに来ることでした。
玄関のほうを向いて鳴いていたこともありましたが、いつの頃からか、私の隣にぴったりと座るようになりました。
その姿を見るのは、正直つらいものがありました。
ごはんを食べるときも、少し動くとついてくる。
私も体調が万全ではなかったので、
少し大変だなと思う時もありました。
それでも、自分ではどうにもできない中で、
必死にやり過ごしている姿を見ると、
「かわいそうだね、しんどいね……」
と思ってしまいました。

もう一度、動物病院へ
伯母が話しかけると、
ガオーンの声がふっと普通の声に戻ることもありました。
なんていうか、
自然現象のようなものなので、止めることはできません。
ただ、その時間が過ぎるのを待つだけでした。
その後、動物病院で再手術を受け、症状は落ち着きました。
長いあいだ、あの子なりに耐えていたからか、少しだけ年齢よりも大人びて見える気もしました。
それだけ、体への負担が大きかったのだと思います。
「療養中に出会った1匹の猫④」へ続きます。
