アラフィフ療養中|幻想エッセイ(番外編)✨ふぅっと、ふうの風ライフ
ぼくは、ソマリ🐱のふう。
いつからか、もう目が見えにくくなってきた、もうおじいちゃんだな。
ここ数年でウチは賑やかになった。
保護猫のマルとコルも来て、ウチには7つの命がある。
子猫だったころ・・そうとっても小さかったな。
ペットショップは、まるでマンションのようにたくさん並んだ小さなケージがあって、そのマンションの4階のひとつがぼくの部屋だった。
知らないにおい、ざわざわと人の声、光のきらめき。
そのどれもが大きすぎて、胸の奥がしん、と冷えるようだった。
それから、窓から小さなお隣さんをたくさん見送った。
ぼくは大きくなって、ペットショップマンションの8階くらいに移動したら、窓からはみんなの頭しか見えなくなった。
誰も、ぼくの顔、見れないよね。
でも、ねえねが見つけてくれた。
少しして、ぼくに新しいウチができた。
そして10年間、ウチの3つ出窓は、全部ぼくのものだった。
だからマルとコルが来て、2つあげた。
でも、ねえねの部屋の出窓は、今でもぼくの特別な場所なんだ。
🐈 🐈 🐈
ふうは、いつもの出窓に座っていた。
ねえねのベッドにジャンプして、机を渡って、そこから出窓に登る。
出窓にはアミブルージュさんの綿100%の大きめで厚い枕カバーが敷いてある。
綿100%、ぶ厚めがお気に入りだ。
お日さまが沈んで、空の色が青から群青に変わっていく。
街の灯りがぽつぽつと灯りはじめるころ、ふうの特別な時間がはじまる。
出窓は、ふうにとって世界の“駅”みたいな場所だ。
ここに座っていれば、空も、風も、遠くの音も、ぜんぶやってくる。
昼のあいだは、鳥さんが来る。
「おはよう、ふうさん」と言うように、窓の外の枝にとまって、
チュンと鳴いては首をかしげる。
ふうはしっぽを小さく揺らして、「うん」と返す。
それだけで、十分に会話になる。
そして、オービスならぬ「フービス」で車のパトロールをする。
昼下がりには、風がやってくる。
カーテンをふわっと揺らして、「今日は外の匂いが甘いよ」と囁く。
ふうは目を細めて、風をひとすじ、鼻の奥に吸いこんでみる。
草の匂いと、遠くのスコーン屋さんの匂い。
そして、ほんの少しだけ、ねえねの香り。
夕方になると、車が帰ってくる音が増えていく。
タイヤの音がアスファルトをすべって、光が窓ガラスに流れていく。
ふうはそれをひとつひとつ見送る。
どの光にも、誰かの一日が詰まっているような気がする。
窓から見えるあの子のところに帰るのかな。
そして、夜。
部屋の灯りがやさしくなって、ねえねは出窓のそばの小さな机とイス🪑に座って絵を描いている。
その音を背中で感じながら、ふうは窓の外を見つめる。
星がひとつ、またひとつ、瞬きはじめる。
「もうすぐ、くるかな」
銀河鉄道。
ふうは毎晩、それを待っている。
静かな夜空のどこかに、かすかに聞こえる「ごとん、ごとん」という音。
そのたびに胸がふわっとあたたかくなる。
列車がやってくると、窓の外の世界が少しだけ光る。
フクロウ🦉の車掌さんが帽子を押さえて、ふうに会釈し、
とろりっちおじさんが車窓から手をふる夜もある。
ふうはしっぽで小さく「こんばんは」と返す。
列車に乗り込むと、夜の空気が少し冷たく感じる。
ふうはその冷たさを胸いっぱいに吸いこむ。
ねえねがそっと、ふうの背を撫でる。
「ふう、しあわせ?」
ねえねは、よく聞いてくる。
ふうは目を細めて、しょうがないから撫でさせてあげる。
外では、風がまだカーテンを遊ばせている。
ねえねが昔アラスカで買ってきたドリームキャッチャーがあるから、ずっと悪い夢は見ていない。
ウチに来て最初にもらったイチゴ🍓のおもちゃは、ボロボロだけど、中の鈴がコロンと鳴る。
やっぱりこれが一番すきなのだ。
今夜も出窓は、ふうの世界の真ん中で、星と風と音を受け止めている。ふうの小さな銀河は、いつも、ずっと、ここにある。
ねえね、ぼくはずっと、
ちゃんとしあわせだよ。

マスキングインク使いました!
いつもよりは上手にできたかも!!
Spicaは、ガラスペン(スターダストブラック)で
書きました!

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