花里真希(2025)『中三・ラプソディ』講談社

合唱コンに向けてがんばる中学生たちがまぶしい。
はじめはまとまらないクラスが、合唱コンの練習を通して次第にうちとけていき、団結力を増していく。

主人公は幼いころ父親が急に出ていってから、母に迷惑をかけないように完璧であろうと、母が気に入るじぶんでいる努力をしてきた。
しかし、歌が苦手なのだ。どうしても音がとれない。
合唱コンの練習では、音がとれていないことがばれないよう、小さい声で歌ったり、家で何度も曲を聴いて練習したりしていた。

あるとき、必死に隠していた音痴がまわりに気がつかれていることを知り、ショックを受ける。
そのとき助言をくれたのは、クラスで孤高の存在で「魔王」と呼ばれている女子だった。

あまりひととつるまず、じぶんの軸がしっかりしているために、あまり友だちがいないクラスメイト。
ふたりで話す機会ができ、これまで見えていなかった一面を知る。それと同時に、あまりにじぶんの意思をもってこなかったじぶんに気がつく。

それぞれの事情を抱えた生徒たちが、声をそろえて同じ歌を歌う。
それぞれのかがやき、おもいが、ひとつの音楽をつくる。
合唱って、音楽っていいな、とおもえる。


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