海緒裕(2025)『ぶたのしっぽ』講談社

あみぐるみがすきだけれど、男が手芸がすきだなんてキモい、と言われることを恐れている豪太郎。
野球部のピッチャーをしているが、ほんとうは家庭部に入りたいとおもっている。

二年生になるとき転校してきた歩陸は髪をのばしていた。
豪太郎とはすきなアニメが同じで話があった。
しかし、ほかのクラスメイトは男が髪を伸ばしていることは変だ、と歩陸を受け入れなかった。髪が長いことが理由で、野球部に入ることもできなかった。

豪太郎は、まわりの意見に納得ができなかったが、異を唱えることもできず、歩陸と距離ができてしまう。
そして歩陸はそのまま引っ越していってしまった。

クラスメイトたちは、歩陸は逃げたのだ、と噂した。
豪太郎は、歩陸はじぶんがじぶんらしくあるために環境を変えたのだ、とおもった。
豪太郎は歩陸に寄り添うことができず、じぶんもじぶんらしくいることができないことがずっと気にかかっていた。

一方、職場体験で同じ場所を希望したことをきっかけに不登校の篠田との交流がはじまる。
篠田はどうやらヤングケアラーで、家を空けられないのだという。

いつも淡々と言いたいことだけ言って去っていく篠田。
豪太郎は変なやつ、とおもいつつ、すこしずつ篠田のことを考える時間が増えていく。

ありのままのじぶんが受け入れられないことの怖さ、寄り添ってくれるひとのあたたかさを思い出す物語。

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