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森絵都(2024)『カラフル』文藝春秋

存在はもちろん知っていたが、なんとなく読んでこなかった本。
ジュニア版が新しく出て、カシワイさんがイラストを担当していたことがきっかけで読んでみよう、とおもった。

出版社が変わりつつ、1998年に理論社から出版されてから今日まで読み継がれている理由がようやくわかった。

輪廻のサイクルからはずれた僕の魂が、抽選に当たったと言われる。
そして、僕が生前犯した罪を思い出すことができるまで、自殺した少年、真のからだに入って生きることになる。

仮の姿、仮の家族、仮の人生。
そうおもって過ごす僕は、前の人生のことはなかなか思い出さない。日々なんとなく過ごしていた。

僕の魂がホームステイしている真は、家庭や学校でさまざまな不運が重なり、おもいあまって自殺をはかった。
その情報を得ていた僕も、学校で友だちを作らず、家族のことも信じることができなかった。

しかし、真として生活していくなかで、仮のすがただとおもっていたからこそできることが増えてくる。
そうして、生前の真とははずれたことをするうち、それまで見えていなかったクラスメイトのすがたや、家族のこころのうちが少しずつ見えてくる。

書名に込められた意味が最後にわかったとき、はっとして目をあげると、そこにはじぶんが生きるべき世界があった。
きっとこの本はこれからも読まれていく。読まれていってほしい。そうおもった。


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