円安をうまく使えるかという問題とエネルギー、税コスト、人口サイズ

通貨が圧倒的に強いスイスが国内生産を維持し、貿易黒字を拡大させている実態を見れば、「通貨安が輸出や自国経​済に有利」という言説が必ずしも本質を突いていないことは明白だ。

900万人のスイスと1.2億人の日本。
そして電気エネルギーを水力と原発でほぼ賄っていて不足は輸入できる構造。

マーケットの近さ(EU)も大きいだろう。

他国より安いエネルギーコストで、同じ品質のものを作ればそちらが比較優位なのは考えるまでもない。

それを送るフレートコストも小さく済むものに特化してかつ、最大マーケットへの輸送距離も小さく設計する。

スイスのような軽薄短小産業は重厚長大産業より雇用は小さくなる。日本の多くの人口をどう雇用するのかという問が生まれる。シンガポールのような都市国家であればほぼ三次産業のみで成立する(ジュロンとかあるけどね、あそこからトレーディングハブへと進化したわけだし)

ああいうものに特化した場合、日本の雇用は失われる。このあたりの問題もある。

「円安こそが経済成長のエンジンである」という幻想から、我々はいい加減に目を覚ますべきではないだろうか。通貨の価値とは、その国の購買力であり、国民が世界​から富を享受するための「引換券」だ。エネルギー、デジタル、そしてエンターテインメントなど、あらゆる分野で「円」という引換券が効力を低下させていることを痛感させられている。

円安だけではまわらないというべきではなかろうか。2000年代日本の雇用コスト、従業員給与は高すぎるという記事だらけだった。

それを円安でカバーしたが、原発を止めてエネルギーコストが上がっているので円安が本来もたらしうる相殺されていると見るべきではなかろうか。

また他国より厳しい税制度も海外投資に振り向ける要因ではなかろうか。

韓国も似たようなことになってきている。

日本の法人税は高い。

その観点では日本は企業進出がし難い国と判断されていることになる。ちなみにOECDの平均値は23.1%。日本は29.7%で6.6%ポイントもの差が生じている。

投資意欲がわかないのはよくわかる。エネルギーコストが高く、税負担も高い国に投資する人はいない。日本人でもそこには投資をしない。

これでは円安で製造業が動き出せない。

ここにメスを入れるべきだろう。

法人税を下げて消費税を上げる。原発を拡大してエネルギーコストを大幅に下げる。
そのうえで円安で人材コストが海外より安くなれば、地政学的に他国より安定していて、質の高い労働力があるとこに製造業をおこうということになる。

国の本はエネルギーコストである。そして企業が投資を行うにあたり重視するのは税含めたトータルコストである。

日本政府案件でもオランダにビーグルを作ったりするくらいだ。

今回のホルムズ封鎖で玉木が原発稼働を言い出した。今までは円高と原油安が重なり耐えられたが、円安原油高ではこの国は持たない。

化石燃料を買えば買うほど中東やオーストラリアの浪費につながる。化石燃料を買わないで済み、エネルギーを安定的に得る仕組みは今のところ原発しかない。原発を新設して技術をためていくほかないのだ。東芝のwhにしても国は保護すべきだったろう。

本当にこの国の官僚も政治家も大局などないのだ。

全体最適を考えるには元老と内務省か大本営のような仕組みなしには官僚機構には難しく、政治家の任期は短い。

国家のあり方をどのようにするのかを国家戦略局だかで作れるとはとても思えない。 

ため息しか出ない。

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