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巡る季節は同じからず

 義実家の門柱に向かって左手に生えている高い木(後ろの家のもの)に紫の花が咲いているのを見て、それが桐の木であることに初めて気付いた。山沿いの地域に行くと今頃よく目にして季節を感じる花だけれど、この辺りでは珍しい。昔は女の子が生まれると桐の木を植えて、お嫁に行くときに箪笥にして持たせたのだとか。こちらに来てもう30年以上になるのに、今まで気付かなかったのは何とも呑気な話だ。そう言えば、今年は庭のツツジが美しい。昨年自分で剪定したという思いもあるかもしれないが、オレンジから始まって白、紫、赤と順に咲いていく様子はこれまでに見た記憶がない。と、ここまで書いてきて、一年前はまだ仕事をしていたことに思い至った。仕事を辞めるまでは精々週に一度位しか顔を出せなかったから、桐の花もツツジが順に花開く様も知らなくて不思議はない。道理で最近庭仕事のペースが掴めない訳だ。春先は午後に訪れた際にちょこちょことやっていたのが、段々陽射しが強くなってきたし、草の伸び方が片手間では間に合わなくなってきたので、今週から作業を午前中に変えたところだった。昨年庭仕事を始めた時は既に暑くて早朝に作業をしていたから、いよいよもう少しで1年の環が繋がって振り出しに戻るということか。とは言え、暦は一回りしても、そこに生えている植物は同じではないというのが面白い。今年は庭のあちこちに黄色い花を付ける白っぽい草が生えていて、何かと思って調べてみたら母子草だった。春の七草の一つ御形(ゴギョウ)で、昔はこの草で草餅を作っていたらしい。一本二本ならアクセントでいいけれど、あまりに沢山生えているし越年草でどんどん増えそうなので抜くことにした。庭石の陰で奥ゆかしいスミレの株が少しずつ増えているのはうれしい一方、根っこが深広で抜くと周りの土ごとえぐれてしまう草が勢力を拡大しているのは不味い。切れ味がイマイチなナイロンワイヤーの草刈機は使い方をもう少し考えるとして、当面はやっぱり手で抜いた方がスッキリする。抜けばまた別の草が生えてくるのだけれど、今度は何が生えてくるか、様子を見てみるのも悪くない。この春は図らずもタマスダレが勢力を拡大して目を楽しませてくれた。一年前はどんどん伸びる雑草を横目にこの時期はまだ何も出来なかったことを考えれば、今年は随分アドバンテージがある。先日植えたクチナシやヤマボウシ、去年剪定したキウイや柿、これから始まる庭仕事の2年目が楽しみだ。

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