見出し画像

来年の穴を掘る

 ん?来年の穴?墓穴を掘るの間違いか?何か恥ずかしいことをやらかした時に入れるようにとか?とりあえず鬼が笑うよね。いやいやいや、決してそういう訳ではない。6月に退職して以降、月替わりの内容で勤しんできた実家の庭仕事が一段落してしまって、はて次は何をしようと考えた結果、今年草を抜いてきれいにした荒地に来春木を植えるための穴を掘ったという次第。大抵の植物は春先に植えるのがよいとされているようだが、その頃はまだ寒いし土も凍っているかもという(浅はかな?)考えから。日当たりや育った時の間隔を考えて、とりあえず8つの穴を掘った。さて何を植えようか、これからじっくり悩むことにしよう。
 読書は、前回ご紹介した「ボーダーレス」の残りの2作。先ずは福田節郎さんの「三人」、3DKのマンションで共同生活をする3人の中年男性の物語だ。ある日、その内の1人に女性の影がチラついて、今の暮らしがいつまでも続く保証はないことに気付くが…。福田さん独特のワンセンテンスの長い文体が慣れてくると心地よく、主人公?の人柄の良さがジワぁっとしみてくる。こういう共同生活、これから増えてくるかも。
 最後の1作は、「ボーダーレス」の発行人である田沢成琉さんの「奇跡の音楽」、この本を形にしたエネルギーと健全な精神を作品から感じた。物語は、複数の登場人物のストーリーが同時並行で進行しながら、ゆるく繋がり影響し合っていく。世界では争いが続き、人の心も身体も傷ついてままならないけれど、それでも、時に人の言葉は誰かに届いて、人はまた立ち上がっていく。そういうことを信じているという肯定感が物語を支えている。
 今日は12月8日、歴史的には「ニイタカヤマノボレ」で太平洋戦争が始まってしまった日だけど、個人的な実感としてはジョン・レノンが銃弾に倒れた日だ。英語の授業を待つ教室でそのニュースを耳にしたあの日から、あっという間に45年も経ってしまった。あの時40歳だったジョンの人生より長く、あの時20歳だった自分はその時の3倍以上生きてきたことになる。あの頃、今のネット社会とかスマホとか想像も出来なかったけど、残念ながら世界から戦争は無くなっていない。12月8日を、みんなでジョン・レノンを聴く日にしてはどうだろう?とりあえず、私はあの日と同じようにターンテーブルにレコードを置いて…。
 

いいなと思ったら応援しよう!