母の日 '26
週末に、ひょっこりと息子が帰ってきた。奥さんが妹さんと旅行に出かけて出来た2日間の独身時間を、いくつかの選択肢の中から帰省に充ててくれたらしい。 曰く、GWと母の日と父の日を兼ねて。ちょうど、連休誰も帰って来ないなぁとか母の日だけど…とかかみさんが言ったり多分思ったりしているところだったので助かった。息子よナイス!勿論私もうれしかった。突然だったので大した準備も出来なかったけれど、気の置けない宴会は延々と深夜まで続いて、いろいろと話しているうちに、ずっとこちらが心配しながら面倒をみていたつもりが、いつの間にか自分たちが老後の生活を気にかけてもらう側へと立場が変わっていたことに気付いた。素直に、子供の成長をうれしく思った。
翌日は、母の日のプレゼントを持って、息子も一緒に一人暮らしの義母の家へ。お正月以来の孫の訪問を義母もたいそう喜んで、勢い余って小遣いを二度渡そうとするほど。最近はボタンの掛け外しが大変と言っていたので、妻が選んだ初夏向きのニットも気に入ったよう。この一月ほどデイケアを休みがちだったので、気分を変えてまた元気に通ってもらおう。前日に息子の訪問予定を教えたとき「赤ちゃんは未だかねぇ」と言うので、最近はそういうことは訊かない方がいいみたいですよとやんわり伝えておいた。息子の帰り際、最近は足元が覚束ない義母がズンズンと車に近づいて中を覗き込むので、何事?と息子が窓を開けると、義母が一言「赤ちゃんは未だ?」!
一日置いた次の日、今度は私の母がお世話になっている施設へ面会に。途中、息子に教えてもらったお店で美味しいパンを調達して、大きな森のある道の駅で休憩。芝生が広がるベンチで休んでいたら、目の前の地面がモソモソと盛り上がってくる。お、モグラか!と思ったけれど、残念ながら結局姿は見せなかった。2カ月ぶりの母は元気そうで、自分は施設の中でも面会に来てくれる人が多い方なのだと嬉しそう。季節行事の話をしていたら、もうすぐダイジグ様だから白い餅と草餅をお供えしないとと言う。何十年ぶりかで耳にする懐かしい響き。確か、子供が財布を枡に入れて夜にお供えしておくと、翌朝財布の中身が増えているという不思議な日だ。年に2回位あったような気がするけれど、今思えばダイジグ様は大神宮様だったのかもしれない。それから話題は地元の祭りのことになって、いつの間にか場面が実家に移り、いろいろ忙しいと言うので何が?と訊いたら、ずっと子供を負ぶってるんだという。前回もそうだった。どうやら最近の母は、近所の子のお守りをしていた10代の記憶の中にいるようだ。それでも、今回は私たちの姿が見えなくなるまでずっと車椅子から見送ってくれた。それだけで充分有り難かった。
