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魔女のハーブは、あんまり甘くない 10ー10 魔女と星の世界(10)

◯湖のそば(虹のかかるころ)

湖のそばの芝生のうえに、ノア、コータ、女性の3人が、ならんで座っている。

虹の色がかかった湖では、白鳥たちが、楽しそうに翼をひろげていた。

女性のぬれた髪を、ノアがハンカチでふいている。

女性「どうも、ありがとう・・・・」

女性が、ノアに、ほほえむ。

コータが、そわそわした顔をしている。

ノア「あの・・、これ、どうぞ」

ノアが、キャンディーを、女性にわたす。

コータ「あ、それ、ぼくにも、くれたの・・・」

女性、ありがとうといって、キャンディーを口にいれる。

女性の足のつめが、銀色にひかる。

ノア「・・・・?」

女性「・・ああ、おいしい、元気でました」

女性、嬉しそうにいうと、ノアも、ほほえむ。

エーメ「あの、あたし、エーメっていいます。いつも、水のなかで暮らしてます」

ーぱしゃっ。

水面に、銀色にかがやく魚が、はねる。

コータ「・・・・?」

ノア「水で、暮らしてる・・・?」

ノアが、不思議そうに、エーメを見る。

エーメ「わたし、この湖で泳いでたんですが、きゅうに、湖が黒くなって・・・・」

エーメ、こまった顔になる。

エーメ「そして、やっと地上にでたんですが、すぐに、気をうしなってしまって・・・・」

エーメがわらうと、コータも同じように笑みをうかべる。

ノア「そ、そうなんですか。でも、無事でよかった・・・・」

ノア、すこし、ひきつりながら笑みをうかべる。

コータ「でも、おねーちゃん。なんだか、さっき、お魚さんみたいに、見えたんだけど」

コータ、大きな声で、エーメにいう。
エーメ、小さくわらう。

ノア「あ、そんなこと言って、失礼なんだから」

ノアが、コータを、じっと見る。
コータ、苦笑いする。

エーメ「・・・・いえ、いいんです」

ノア「?」と不思議な表情をむける。

エーメ「わたし、人魚ですから」


ノアとコータ、ぽかんとした、表情になる。

エーメ「あ、なんか、からだが元気になってきました。また、泳ごうかな」

エーメ、元気に立ち上がると、上着を脱ぐ。

コータ、目をそらす。

ノア「え、もう、そんな元気に?」

ノア、おどろいて、エーメをみる。

エーメ「きっと、キャンディーに、魔法でもあったんですわ」

エーメ、ノアにウインクすると、白いワンピース姿になり、細い腕が白くかがやいた。

ノア「え、光って・・・・?」

ノア、目をひらく。

エーメ「そうだ、あなたもどう?」

エーメ、コータの手を引く。

コータ「え? ボク、泳ぐのは、あんまり・・・」

エーメ、口ごもるコータを、湖に、ひっぱっていく。

コータ「え、ええ?」

ノア、2人の姿を見ると、手で口をおさえて、小さくわらう。

白鳥が翼をひろげ、湖から飛びたった。

◯森の天文台(星から、もどるころ)

 レオーナ、セーラの手をひきながら、橋から森     にはいると、小さな階段をのぼる。

セーラ「レオーナちゃん、どうしたの?」

セーラ、階段をのぼりながら、声をだす。

レオーナ「たぶん、てっぺんに行けば、会えますわ?」

セーラ「・・・・?」

2人とも、階段をのぼりおえると、森のてっぺんにでる。

あおい草原がひろがり、小さな天文台がある。

セーラが、目をひらく。

セーラ「え、天文台が光って・・・・?」

天文台が、暗がりのなかで、ぼんやりと光りはじめた。

セーラ「・・・・」

レオーナ「ほら、南の十字の光をあびてるんですわ・・・・」

セーラ、星空を見上げる。

セーラ「え、まんなかの点が、光ってる?」

セーラ、南の十字にむかって、ホウキをのばす。

レオーナ「あの十字の中心点が、トビラなんですわ・・・・」

レオーナ、にこりと、セーラにほほえむ。

セーラ「トビラ・・・?」

セーラ、不思議な目でレオーナを見ると、十字のまんなかから、光のわたが、ゆっくりとおりてきた。

セーラ「え、アカリちゃん・・・・?」

セーラとレオーナ、おたがいの顔を見てうなずくと、天文台にのぼり、両手をのばす。

セーラ「え、ペンダントが?」

セーラの胸のペンダントが、青く光りだす。

レオーナ「それは・・・・?」

レオーナが見ると、青い光は、どんどん大きくなり、やがて、2人をつつみこんだ。

セーラ「え、これも、光のわた・・・?」

セーラ、おどろく。

レオーナ「あ、ほら、きましたわ」

空からの、白い光のわたを、青いわたが受けとめた。

天文台が、白と青の光にそまる。

セーラ「レオーナちゃん、だいじょうぶ?」

レオーナ「ええ、セーラさん、もうすこし、がんばって・・・・」

レオーナがいうと、セーラが、うなずく。

すると、白い光と青い光が、すっと消える。

草原に、静かな夜風がふく。

セーラ「お、おわった・・・・?」

セーラ、ゆっくり目をあける。

レオーナ「ええ、セーラさん、よくがんばって・・、え?」

レオーナ、目をひらく。

セーラが、レオーナの視線のさきをみると、アカリがたっていた。

セーラ「アカリちゃん?」

アカリ、にこりとほほえむ。

アカリ「ただいま、セーラちゃん、レオーナちゃん・・・・」

アカリがいうと、セーラが、ゆっくりとちかづく。

セーラ「ア、アカリちゃん、いま、どうやって・・・・?」

アカリの肩のうえのココが、「ニャ」となく。

レオーナ「ほら、大丈夫だったでしょう?」

レオーナが、にこりとほほえむ。

セーラ「ココも無事で、よかった・・・・」

セーラ、ココのあたまを、そっとなでる。

レオーナ「聞きましたわ。星の世界は、どうでした?」

レオーナ、アカリを見る。

アカリ「うん、ココちゃん、すごい活躍だったよね・・・・」

アカリがココを見ると、ココが、ぴょんとセーラの肩にとびうつる。

アカリ「あと、リサさんもいたの・・・・」

アカリが、くすっとわらう。

セーラ「え、リサさん・・・・?」

セーラ、きょとんとして、アカリとココを見る。

アカリ「ああ、それは、あとで、ゆっくり話すね・・・・あれ?」

アカリ、とつぜん、足がふらつく。

アカリ「え・・・・?」

アカリ、ぐらっと、かたむく。

セーラ「あ、アカリちゃん、だいじょうぶ?」

セーラが、アカリをささえる。

アカリ、小さく、あたまをふる。

レオーナ「・・・・?」

ココが、首をかしげる。

アカリ「あ、あれ・・・・?」

アカリ、セーラを見る。

セーラ「え?」

アカリ「セーラちゃん、どうして、ここに・・・?」


アカリ、目をぱちぱちさせて、セーラを見る。

セーラ「アカリちゃん・・・・?」

セーラ、ぽかんとして、アカリを見る。

レオーナの耳が、ぴょこぴょこと、うごく。

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魔女のハーブは、あんまり甘くない
       第10章  魔女と星の世界          END

                                   <第11章に、つづく>


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