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『水曜日14時の奇跡』— シーズン①脳出血から人生を書き換えた完全実話 —

【第10回  鶴 —— 鳳凰、そして第二の人生へ】
【時系列の杭】2020年冬〜2025年12月3日
すべてを手放したあと、人生がすぐに整うわけではありませんでした。旅行会社を廃業し、実家を手放し、母と円満に距離を置き、私は2020年の暮れに長崎へ旅立ちました。
それは「終わり」ではなく、火に焼かれても消えない“本物”だけを持って始める、第二の人生の序章でした。


1.  長崎の海から、第二の人生は始まった
長崎では、家族と共に、部屋から海の見える場所で暮らしました。
この「水曜日14時の奇跡」の象徴(タイトル)
写真が、部屋から見える景色でした。
目の前で釣りが出来たり、空港も近かったので、
飛行機の離発着と夕日を毎日見ていました。
ゆっくりと時間が流れ、野菜や魚が新鮮で美味しく、真の健康に向けて、少しずつ心身が癒されていきました。
名古屋の都会育ちの私には、まさに夢の世界でした。
私は、そこで一歩ずつリハビリの坂道を登っていました。
かつて優等生で、生徒会長で、大人気講師、旅行会社社長だった私は、もうどこにもいませんでした。
でも——今の私は、あの頃よりもずっと
「自分」を愛していました。
不自由な身体で、小さな子どもの手を握り、
綺麗な夕日を見ながら、波の音を聞きながら、
自問自答——「魂との対話」を繰り返す日々。
「生かされた理由」を噛み締める、この毎日こそが
私の「第二の人生」の入り口だったのです。


2. 社会復帰の第一歩——家庭教師とスーパーのレジ
年が明け、「第二の人生」の序章として、
私は社会復帰の第一歩を踏み出しました。
家庭教師と、スーパーのレジ打ちです。
当時はニュースでも話題になりましたが、
コロナの影響で、取引先だったANAの女性たちが、大手スーパーのレジに出向していました。
だから私は、あえて同じ「修行」を選びました。
左空間の後遺症が残っていた私は、商品を
バーコードにかざして左手に持ち帰る時に、
商品を落としてしまう。
そのたびに、お局さんの厳しい叱責を受けた。
まだ過去の心身の傷も癒えていなかった
私には、正直きつかった。
でも、それでも耐えました。
「我慢・忍耐の修行」だと思って。
それは仕事というより、私にとっては、
社会復帰のための「リハビリ」でした。


3. 煉獄さんとの出会い——「心を燃やせ」が支えに
家では、まだ生後3か月の美月に、
イヤイヤ期全快の息子。
ゆっくり休む間もなく、お局さんの
パワハラに耐える日々。
何度も何度も心が折れそうになりました。
そんな頃、私は『鬼滅の刃 無限列車編』
煉獄さん
に出会いました。
魅了され、号泣しました。
何度も観て、勇気と希望をもらいました。
「心を燃やせ」
「限界を越えろ」
「歯を食いしばって前を向け」
その言葉が、当時の私には真正面から
刺さったのです。
勇気と感動をもらい、心を燃やして
踏ん張りました。
気づけば一か月後には商品を
落とさなくなっていました。
それが良いリハビリになり、無事に
車も乗れるように回復していったのです。
パワハラ大魔王「お局さん」のお陰様——
今となっては、これも素敵な思い出の一つです。


4. 義父という人——静かな優しさ
ここで、義父のことを書いておきたい
と思います。義父は、若い頃の事故で
足に障害がありましたが、穏やかで
一度も怒ったことがない人でした。
その静かな優しさは、人を包みこむ力があり、
私も妻も、大好きでした。
前日譚で詳しく書きますが、
そんな義父は2017年8月20日、
お腹の中にいた子が「男の子」だと
判明した翌朝に他界しました。
私たち家族にとって、
それは「生まれ変わり」
としか思えない出来事でした。
だからこそ、義父の命日は
「特別な日」なのです。


5. 2023年8月20日——名古屋の空に現れた「鶴」
2023年8月20日。義父の命日。
その日は、義父が好きだった店で食事をし、
妻と思い出話をしていた帰り道でした。
当時を思い出した妻が涙を流した、その瞬間
突如として、空に現れた一羽の「鶴」
私は、その瞬間、胸の奥から
「私ではない感情」が
湧き上がるのを感じました。
「見守っているよ」
「ありがとう」
後で鶴を調べると、
健康、長寿、夫婦円満——古くからの吉兆
とありました。
これも単なる偶然なのでしょうか。
でも、私にとっては違いました。
手術から3年。
ようやく新しい生活の基盤ができ、
子どもたちも保育園に通い、
「真の健康」に目覚めた、その節目の日でした。
「石の上にも三年」
だから私は、あの鶴を
「未来の希望」として受け取りました。
奇跡は、特別な人にだけ起こるものではない。
魂と向き合い続けた人に、静かに訪れる
“自然現象”なのだと、私は思っています。

空は宇宙の入り口なのですね

6. 第二の人生の使命
2025年の春、私は50歳を迎えました。
実は最も仲が良い後輩から、
何度も声をかけてもらい、
地元の愛知県に戻りました。
地元を代表する福祉の世界で、 日中は同じように様々な障害で苦しむ方、社会復帰を
目指す方の役に立てるようにサポートし、
夕方からは「学習支援」の塾長として、
子どもの夢と自立のサポートをしています。
妻も私を支えた経験を活かして、
同じ福祉の世界に施設長として身を置き、
家事・育児との両立をしています。
30歳で「お爺さん」
救われ、守られ、気づき、学び、
40代で「自立」をして、与えられた
試練や修行を全うしてきました。
そして50歳で、ようやく自分の使命を
「言葉」にできる地点まで辿り着きました。
脳出血の入院中に、私は決めていました。
「50歳から作家になろう」 と。
その決意には、はっきりした原点があります。
第4回で書きましたが、入院中、
保育園のクリスマスパーティーへ
3時間だけ外出許可」をもらった帰り道。
私は勇気と希望をもらいたくて、
貴重な残り30分をGEOへ向かい、
DVDを借りて病院へ戻りました。
そこで目に飛び込んできたのが、
『こんな夜更けにバナナかよ』
でした。
しかも作者は、私と同姓同名
そして同じ名古屋出身
“こんな巡り合わせがあるのか”・・・
と、息を呑みました。
作品の中には、私よりも重い障害を抱えながら、
それでも前を向いて生きる主人公の姿が
ありました。
その時、私は「決意」したのです。
必ず這い上がろう。そして50歳になったら、
自分の半生を、ありのまま書こうと。
比較されてもいい。名前負けしてもいい。
それでも、この経験が誰かの役に立てるのなら——
そんな幸せな人生はないと、
心の底から思いました。
そして、名もなき命の恩人「お爺さん」
を題材に『水曜日14時の奇跡』
世に出そうと。
一人でも多くの方の希望や勇気になれば——
そう思って、心と魂を磨きコツコツ
準備してきました。


7. 鶴から鳳凰へ
そして——
2025年12月3日。
脳出血から、ちょうど6年。
過去の自分にとっての「命日」です。
私は節目の50歳の命日に
「作家になる」と改めて決意しました。
実は私は、執筆を始めてから毎日欠かさず、
お爺さんに
「世に出す許可を下さい」
と祈っていました。
前日譚で詳しく書きますが、
お爺さんは生前、本当に無欲で
「私は表には出ませんから」
と言われていたからです。
だからこそ私は、この数か月
「この物語を本当に世に出してよいのか」
毎日問いかけ、祈り続けていました。
そして、その前日の夕方、空を見上げました。
そこに現れたのが、「鳳凰」でした。
後で「鳳凰」を調べると、
平和、幸福、再生、繁栄、神聖の意味。
そして、この写真の場所「春日井市」は、
妻と義父の生まれ故郷なのです。
その瞬間、私の胸には、はっきり
ひとつの想いが湧き上がりました。
「応援しているよ」「見守っているよ」
——お爺さん、そして二人の父から、
ようやく「許可」を頂けた。
明日から、真の「第二の人生」が始まるのだと、
胸の奥から込み上げてくるものがありました。
これも「偶然」なのでしょうか。
2023年8月20日の「鶴」
2025年12月2日の「鳳凰」

私の中では、この二つは一本の線
繋がっています。
絶望の底で終わったはずの人生は、
終わっていなかった。
むしろ、そこから始まっていたのです。

宇宙からのメッセージ

8. あなたの魂は、あなたを見捨てない
人生において——
落ちた時。知った瞬間。
気づき、許し、受け入れた瞬間から、
真の「価値ある時間」が動き始める。
それが、きっと「魂の目覚め」なのだろう。
私はようやく、お爺さんが最後に言われていた
「あちらから見守っていますから」
という言葉の意味がわかった気がします。
お別れから10年。
ようやく私は、「その道10年」
の意味に気づくことができたのです。
どんなに絶望の底にいても、
どんなに辛くても、
どんなに大切なものを失っても——
あなたの魂は、決してあなたを見捨てない。
魂とは、きっと「未来の理想の自分」です。
さあ、次はあなたの番です。
あなたの内なる「もう一人の自分」
対話を始めてみませんか?


9. 乗り越えたからこそ

乗り越えたからこそ、初めて言葉にできました。
当時は辛かった。本当に苦しかった。
でも今、ようやく「強くなれた」「成長できた」
と“報告”ができました。
この経験が、“今この瞬間”を踏ん張っている
誰かの、ほんの少しでも支えになれば——
私にとって、そんな幸せな人生はありません。


【シーズン① 完】
脳出血で倒れた2019年12月3日から始まった
この記録は、2025年12月3日の「作家」の
スタートへと繋がりました。
死の淵を見たからこそ、そして
“乗り越えたからこそ”
私はようやく「生きる意味」を
言葉にできるようになったのです。
次に描くのは——
このすべての原点。
「水曜日14時の奇跡」の
「お爺さん」が登場します。
「シーズン②前日譚」で、
心よりお待ちしております。

▶ 脳出血の夜に至るまでの物語は、
マガジン「シーズン②前日譚」にまとめています。

最初から読みたい方へ
シーズン①闘病記〈プロローグ〉

どちらから読まれても、最後は1つに繋がります。


ハッシュタグ
#ノンフィクション #完全実話 #水曜日14時 #創作大賞2026 #オールカテゴリ部門

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