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自主早退 (867字)

制服のまま、土手に寝転び
薄っぺらな学生カバンを日差し避けにして昼寝をする。

快適だ。

オモテはまだまだ明るく
皆まだ授業中の時間に気ままにしているのは、誠に気持ちがいい。
ホンキでうとうとしてしまう。

学校など
行っても意味がない。
おなじ年代の子どもたちがワヤワヤと、飽きもせず顔を合わせ
授業だって聞いているのかいないのか
楽しいのかそうでもないのか
何をしていいかわからないから、とりあえず毎日行ってるだけなのだ。
そんなところに居ても

なんの生産性もない。

6時間目の終了を知らせるチャイムが、風に乗って聞こえてきた。

まもなく、やってくる。

5分……。
10分……。

微かに自転車をこぐ
金属音が少し離れた辺りから聞こえ、
頭の上辺りでブレーキをかけると

ガッチャン!!

アイツは自転車の止めかたを知らないらしい。
いつもああやって、急ブレーキで止まり自転車を放るように降りる。

寝た振りを決め込んだ。

「太一くん!」

駆け寄って来るのがわかる。
寝ている僕の周りを野良犬のようにぐるぐると回り、頭の上でピタッと止まる。

「たーいーちくんっ!」

寝た振りは継続中。
カバンで隠れた左目を薄く開けて声の主を盗み見た。

「寝てるの?ねえ。ホントに寝てるの?」

寝てます。

「風邪ひくよ?」

かまいません。

「太一くん。起きてよ。」

起きません。

起きてやろうかな。
顔が近づいてきて、バレそうだからあわてて左目も閉じた。
すぐそばにいるのがわかる。
息がかかるほど。

「好きよ。太一くん。」

今なんて?

「きゃあ!言っちゃった!
 あたしとうとう言っちゃったわ!」

土手を上がり、捨てるように倒したままの自転車を起こし立ち去っていった。

上半身を起こし彼女の走り去る方向を見ながら眩しい思いでいっぱいになった。
ふと見ると足元になにか落ちている。
拾い上げると小さな熊の人形がついたキーホルダーとメモ用紙が落ちていた。


あげる。
おそろいなの。
さっきの話、返事がイエスなら
明日カバンに付けてきてね。
風邪引かないでね。


その場でカバンに熊をぶら下げた。


今日の感想文


#昭和歌謡
#イメージ作文
#アグネス .チャン
#ポケットいっぱいの秘密
#青い春
#初恋



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