お客様にとって第二の家になれるように
愛について考える時、ふと施設長の言葉を思い出す。
看護も介護も「あい」がないとできません。
全く知らない人間の身体洗ったり、食事の介助、シモの世話、挙句働いていると心無い言動やセクハラも受ける。
例えどんなに愛している相手だとしても、その人が倒れた時に世話ができるか?
それがお互いの羞恥心と物理的問題があり出来ないからこそ、施設と病院という選択肢に迫られる。
認知症の方が9割以上を占める当施設でも介護の疲弊でテレビを賑わす問題が耳を掠める。
低賃金に過労、腰を痛めても誰も助けてくれない劣悪な環境は多分、どこの施設も大きく変わらない。
それを助けるのは、誰でもない。
実は上に立つ人間だ。
上に立つ人間が愛に溢れていなければただの箱であり、そこの施設は終わってしまう。
わたしの職場は幸いなことに、上司と夏前に辞めてしまった前看護マネージャーがとても人間の出来た人であるお陰で、スタッフの関わり方が愛に満ちている。
そして上司がいいと下が文句言わずについてくる。
介護士が良いと看護師も環境が良くなる。
そうなると、良い看護と介護を提供できる良いシステムに生まれ変わる。
認知症があろうと、お客様達はひとを見ている。
生きているだけでその人は大切な家族だ。
短期記憶皆無のひとが、わたしの顔をみて「あなた、わたしと同じ地元よね」と覚えた。
昔の歌を呪文のように歌うおばあちゃんが、「おはよう」という言葉を覚えた。
脳梗塞で失語症のおばあちゃんに毎日話しかけて笑っていたらにこっと笑い返してくれた。
綺麗なスタッフにしか動かない頑固なじっちゃんが歯磨きをしようと動いてくれた。
セクハラ言動しかないおっちゃんが現状の悩み相談をしてきた。
施設には本当に色々なお客様がいる。そのひとの人生を尊重して、そして第二の家としてゆっくり過ごして欲しい。
「あなたがいると元気になるわ」
わたしには元気しか取り柄はないけれど、それで私たちの家族に等しいお客様達がいい気分で一日過ごせるならそれでいい。
「わたしの元気と笑顔は0円です」
毎朝元気よく挨拶する掃除のおっちゃん。
スタッフの采配を細かいところまで見てくれる若くて可愛い施設長。
おっかさん気質の介護マネージャー。
そしてしっかりと一人一人に寄り添うYちゃん。
朝に必ず笑顔で挨拶して今日も一日が始まる。
私たちの施設は、お客様にとって第二の家になるつもりで働いている。
勿論、いいことばかりではないし、腹の立つことだってある。
けれども、それを笑って乗り切れるくらいいい上司に囲まれているおかげで、スタッフも伸び伸びと働けている。
愛に満ち溢れた施設で、今日もおはようから始めよう。
「おはようございます。今日もいい天気ですよ」
【完】1148文字
こちらはモノカキングダム2025に初めて投稿させていただく作品です。
自分の看護と介護について広めたい気持ちで参加させていただきました。
・どなたでも参加OK、参加費無料
・ジャンル(エッセイ、日記、小説etc.)不問
・最大1,500字程度の記事を「#モノカキングダム2025」のタグを付けて投稿
・多少の書き直し可(ただしエントリーは1本)
・AI利用可、盗作は失格(全力で軽蔑)
・参加者に投票権、自分以外の2名に投票
・優勝作品は X(8.2万フォロワー)でシェア
因みに、もう読まないと間に合いません!
そして、文字数は1500以下なので短時間でも読めるし、感想を書き合えるからとてもいい大会だと思います。
マガジンも作ってくださったので、これでひとつずつ読み進められますやったね!次の休みで読破します🍀
やっぱりこの企画のポイントは1500文字以下ってところですかね。読了のサクサク感が大事😊
あとこの記事に貴重なお時間ありがとうございました🍀
おはようと感謝の言葉で今日も気持ちよく過ごしましょう😊
