大船渡、林野火災再生の今
こんにちは。岩手団の石田です。
岩手団では、今年の2月から大船渡の山火事跡地の再生をスタートしました。開始から、半年。
私たちの現在地をお伝えできればと思います。
1つ目の現場で、再造林を開始!
私たちの1つ目の現場は、三陸町綾里字熊之入にある山火事跡地で、面積は約2haのところです。
再造林を行うにあたり、山主さんから山をお預かりさせていただき、作業を開始しました。

青葉組が行う、森に木を植え育てる造林では、
まずは、植林ができるよう、伐採跡地に残る枝や丸太などを整理する「地ごしらえ」を行い、
その後「植林」、「下刈り」を行います。
2月には、地ごしらえを開始。
急な斜面と滑る地面での作業が大変でしたが、チェンソーと大鎌を使って丁寧に作業しました。地ごしらえを丁寧に行うことで植林や下刈りの作業がし易くなります。

その後、5月から植林も開始!
火災による被害が少なく、防火帯の役割も果たす森になること、
秋に紅葉が楽しめる森になること
を考え、葉を落とし、紅葉する落葉広葉樹の「コナラ」と「ウリハダカエデ」を植えることにしました。
一般的には、植林する際、1haあたり2000本くらいの苗木を植えるのですが、今回は、周辺で自生する広葉樹からの種の散布も期待し、1haあたり1000本植えることにしました。
広葉樹の植林は針葉樹よりも少し手間がかかりますが、それだけに愛着も湧きます。
岩が多く活着してくれるか心配でしたが、しっかり葉っぱを付けてくれています。


植林する際に欠かせないのが、シカの食害対策です。大船渡は、全国的にみてもシカがとても多いエリアなので、しっかり対策をしないと、植えた苗木が全て食べられてしまうということにもなりかねません。今回は、植林地全体をネットで囲うゾーンディフェンスという方法で柵を設置しました。

今後の管理としては、植林木の育成のため下刈り作業を行います。
下刈り作業は年1回を基本に5年間行います。
植林木以外の雑草を刈払うことで育成を促しますが、青葉組では実生で生えてきた高木性の広葉樹は刈払わずに残すことで、多様な森づくりに取り組んでいます。
企業との連携
今回の現場は、一般社団法人more treesとの連携で実現しました。
more treesは、音楽家 坂本龍一氏が創立し、建築家 隈研吾氏が代表を務める森林保全団体で「都市と森をつなぐ」をキーワードにさまざまな取り組みを行っています。
今回も、森づくりを支援してくださった企業の寄付金を活用して、森づくりを行うことができました。
5月には、植林イベントも行い支援いただいた企業様と一緒に、イタヤカエデ、エゴノキ、タブノキの3種を植林しました。
企業との連携による被災地復興。その第一歩となりました。

燃えてしまった山の引き取りも実施
青葉組は、栃木・新潟など、これまで展開してきた地域で地域法人を立ち上げ、地域の銀行や自治体、そして伐採業者などの林業者に加盟いただき、個人では管理が難しくなってきた山を、地域で引き取る仕組みを作っています。
大船渡においても、一般社団法人「大船渡・森の再生」を立ち上げ、管理の難しい山の相談・引き取りを行っています。

引き取った山は、引き続き企業など民間からの支援も得ながら再生させていきます。
拠点を開設したばかりの私たちに、山を預けてくださった皆さん、ありがとうございます。
3370ヘクタールという山火事面積の中で、私たちの活動エリアはまだ1部ではありますが、地域の暮らしを支える健やかな森林になるよう、少しずつ再生を進めていきたいと思っています。
私たちの森づくりでは、木材利用がしやすいスギやカラマツなどの針葉樹の森に加え、水源涵養や生物多様性の機能が比較的高く、山火事の際に防火帯の役割を果たす広葉樹の森を目指すこともあるのですが、そういった多様な森づくりに共感してくださる山主の方もいらっしゃると感じています。
感じている課題とこれからの活動
青葉組で引き取った山のほとんどが、伐採前で被災木が立ったままの状態となっています。
このままになってしまうと、森の再生作業が進まないだけでなく、時間が経つにつれて木材としての価値が下がり、倒木の危険性も増してしまいます。
伐採事業者との連携や周辺の山林の集約化、山林境界の確定を進め、早急に伐採ができる体制をつくっていく必要があります。

また、引き取った山を地域の暮らし、環境にとって良い森にしていくために、火災被害地の再造林についての知見を深めていきたいと考えています。
何の樹種を植えるのか、どのように植えるのが防火帯を作り、山火事の被害を抑える森になるのか
伐採跡地で、植林せずに自然の力で生えてきた樹種をどのように活かしていくべきか
森の再生にあたって、今回の火災がどのような影響を与える可能性があるのか
土砂流出、植生への影響、水質への影響、生物多様性への影響など、今回の山火事が森の再生にどのような環境に与えるのか
などなど。
実地での経験や観察、また専門家の講義などにより学んでいきたいと思っています。
早急な対応が求められていることは事実ですが、復旧に関わる人たちの健全な生活も保ちながら、少しづつでも着実に進めていくことも大事だと感じています。
復旧への道筋が少しづつ出来上がっていく中で、マンパワーの不足が市全体の課題となっています。
青葉組岩手団では会社のカルチャーに共感して、一緒に大船渡の再生に取り組んでくださる方を歓迎しています。
自然への関心が高く、チームで協力して、森林再生に取り組みたい熱意のある方、ぜひご応募お待ちしております!

引き続き、大船渡での山火事跡地での再生の様子をレポートしていきますので、続報をお楽しみにお待ちください。
石田
