日経特集「波乱の東証グロース改革」について

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 昨日(5月27日)から日本経済新聞が「波乱の東証グロース改革」という特集を始めました。東証は2年前に「資本コストや株価を意識した経営」を求めることでプライム・スタンダード市場企業に価値向上を促す要請を行いました。この要請は、企業経営者の価値向上マインドを高めたものとして高く評価されています。一方で、グロース市場企業はやや置き去りにされた感があり、このたび東証はグロース改革に乗り出したというわけです。
 具体的な施策としては、グロース市場の上場維持基準を「上場10年経過後に時価総額40億円以上」から「上場5年経過後に時価総額100億円以上」に変更することがほぼ確定しています。日本経済新聞社の特集はこの流れを受けたものです。

 本稿では、このテーマに関心を持たれている方向けに、東証の関連資料を紹介いたします。

 この改革は、東証が主催する「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」で有識者の意見を聞きながら内容を固めてきたものです。
市場区分の見直しに関するフォローアップ会議 | 日本取引所グループ
グロース市場の現状と改革案を議論するために東証がこの会議用に提出した資料として次のものがあります。
第20回(2025年2月18日)の資料4「グロース市場における今後の対応」
um3qrc000000t58p.pdf 
第21回(2025年4月22日)の資料3「グロース市場における今後の対応」
um3qrc0000016108.pdf 

 昨日の特集第1日の記事に「時価総額100億円未満のグロース企業は4月末で425社と全体の7割に上る」という記述があります。これに対応するのは第21回資料3のp15の時価総額分布図でしょう。この図は今年の1~3月の終値ベースなので、100億円未満は「40億円未満の224社+40~100億円の198社=422社」となり社数は若干異なります。日経記事の方は4月末で計算しなおしているのでしょう。若干古いとしても第21回資料3の分布図は、この問題を考えるにあたって有用な情報になると思います。
 昨日の記事には「東証によると前身のマザーズを含めた過去20年間に上場した企業のうち時価総額がIPO時の10倍以上に成長した企業は全体の5%しかない」という記述もあります。こちらは第20回資料4のp2からとったものでしょう。全体812社のうち42社(5%)というデータを提示しています。
 第21回資料3のp17には「国内中小型株ファンドに組み入れられている企業の⼤半は、時価総額100億円以上」、p18には「上場後に時価総額100億円以上に成⻑した企業の93%は上場5年以内に実現」といった統計データも示されています。
 そして何より、これらの資料には関係者へのヒアリングなどが詳しく説明されています。グロース市場改革にご興味の方は、是非、これらの資料をご覧ください。 (了)


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