【猫目石アンナのソシャゲ批評】②『天啓パラドクス』
※数年前ソーシャルゲーム全盛期にソーシャルゲーム雑誌の編集者をしていたので、一応界隈の業界については詳しいです。最近のことはよく知りません。個人的にソシャゲに「ストーリー」「シナリオ」の要素はまったく求めていないので、その辺りは考慮に一切入れません。
今回は2022年4月サービス開始の『天啓パラドクス(以下テンパラ)』について書いていきます。

【公式サイト】https://games.dmm.com/detail/tenkeiprdx
「全年齢版」、「X指定版(R18)」、がありiOS版とAndroid対応の「スマホ版」もあります。PCではブラウザでもDMM GAME PLAYERでも遊べます。

この作品ですが、サービス当初からログインはしていたのですが、2年近く完全に「ログボ勢」(ログインだけして石などをもらう人のこと)でして、ゲーム自体を始めたのは2024年からなんですよね。
タイトル自体は気になっていて、プレイするまで至らないゲーム、ていうのが私はありまして、そういう作品は「キャラデザは好きだけど…」で止まっているんですよね。そこで脱落するゲームは多いんですけれども、この作品には「毎日1回無料ガチャ」がありました。その無料ガチャやりたさに2年近くログボ勢だった、なんて経緯があります。
この作品を実際にプレイするに至った経緯には、2024年5月30日の『BLUE REFLECTION SUN/燦』のサービス終了が関わっていたりするのですが、その話はいずれ、おいおい、しましょうか。できるかな?
ともあれテンパラです。
この作品、正直なところ、「クオリティの割にプレイ人口が少ない」という印象を受けます。テンパラはもうすぐ3.5周年を迎えるソシャゲなんですけれど、Twitterのテンパラ公式のフォロワー数は9.3万人。同じく今月3.5周年を迎えた『ヘブンバーンズレッド(以下ヘブバン)』の公式フォロワーは52.7万人です。後者は超有名作とはいえ、絶望的な差を感じますよね。
私は両作プレイ済みなんですけれど、ヘブバンは内容というか、テキストのテンションが肌に合わず、でした。テンパラはプレイしてみたらすごくおもしろかった。さくさくプレイできて、いろんなとこ「よくできてるじゃん!」ってなりました。プレイするにあたって、Twitterでテンパラをやっていそうな方を探したんですけどまぁまぁ少ない。ほんとあんまりいない。でもやっているプレイヤーの熱量は高い。そんな感じです。
ではいってみましょう。
【キャラデザ】
まずテンパラはキャラデザがいい。これは好みの問題でもありますけれども、見ていただければわかる通り、キャラのグラフィックが統一デザインなんですよね。これはキャラデザは別の絵師さんがいて、運営がそれみグラフィックに起こしているのか、内部に詳しいわけではないのでわかりませんが、とにかくソシャゲでこのグラフィックの統一感はコンシューマのゲームに近いクオリティの高さを感じさせてくれました。


2Dのグラフィックのほかに戦闘時の3Dのモデルもあるのですが、こちらはある程度デフォルメされていて、こちらもかなりかわいいです。

このゲームのキャラクターたちは、「リーニャ」「テーセツ」「ジャハラ」「クォンツィ」「ジェネラス」「ペイシェ」「ヒューム」の7カ国と+1「アンノウン」のそれぞれの国家に所属していることになっていて、ファンタジー風、和風、中華風、寒そうな国、暑そうな国などなどそれぞれに沿ったキャラの造形や名前などこだわっています。国家統一編成で戦いコンテンツがありますし、そういったパーティで組むと利点があったりもするのですが、国家が違っても好きなキャラ、強いキャラでパーティを組むのも全然アリです。
【課金圧】
このゲームにおいて、重要な項目ですね。このゲーム、恒常キャラクターと、特別な限定キャラの格差がかなりあります。限定キャラが強い。難しいコンテンツを恒常キャラでクリア不可能、というレベルではないかもですが(私はできない)、とにかく強いキャラは限定でしか手に入りません。限定ガチャが引けるのは年に何回か、チケットでの販売がたまにあるかな、という感じです。さらに限定よりもガチャの難度が高い、いわゆる青天井のキャラがいたりします、もうひとつ書くと恒常キャラでも取りはぐれると、恒常ラインナップに入るまで半年くらい待つことになります。なのでガチャはなるべく回したい、て感じになります。
こう書いていくと「課金圧高いじゃん」てなると思うのですが、この作品の課金圧が★3なのは理由があります。
ソシャゲの課金というのは、よほどお金持ち、お金が自由に使える方以外は、少なからず罪悪感、みたいなものあると思います。もしくはお金がないとかもったいないとか、後ろめたく思う気持ち、あると思うんです。ですがテンパラの場合、たとえば3000円の課金をすると、有償の石が3000個もらえるんです。キャラであろうがチケットであろうが、アイテムであろうがなんでもです。とにかく課金した分と同じ額の有償石がもらえます。無償石ではないですよ。

有償石はガチャだとステップアップで少し楽にキャラが取れたり、有償石で買えるアイテムなんていうのもあります。普通に無償石と同じように使えもします。つまり「3000円使って石が3000個もらえるなら、それは実質無料じゃね?」という思考になります。実際はそうでは全然ないんですけど、上で書いたような「課金に対する罪悪感」をあまり感じないんですよ。課金へのハードルがかなり低い。ついつい息をするように課金してしまいます。それがいいのか悪いのか、このゲームでは少なくともいい方に作用していると感じました。上の上で同時期にサービスを開始したヘブバンとの格差を書きましたけど、それでも続いている、のは多分このせいだと思います。
【デイリー消化】
毎日のデイリー消化はちょいちょいです。楽ちん。ただ、「幻影討伐」、「侵蝕」などといったバトルコンテンツのある時期はちょっとだけ時間かかりますかね。それだけかな。毎日1回も無料ガチャは今でも継続しているので、それも毎日の楽しみだったりします。毎日無料ガチャ、結構重要だと思いますよ。
【キャラ育成】
キャラの育成に関してはかなり楽しめると思います。これはほんと、かなり楽しいです。

当たり前ですが、RPGなのでキャラのレベルがあります。レベルは20ずつアイテムで解放していって、最初のレベルキャップは100まで。120まで上げるには専用アイテムが必要になり、専用コンテンツをクリアできないと解放できません。

この100→120のレベルキャップの解放は初心者にとってはかなりの壁になっていまして、私も苦労した記憶があります。ここでくじける方もいるかもです。でも1度クリアしてしまえばあとはよゆーよゆーになります。
それとは別に★0~5の覚醒レベル。これはいわゆるキャラを重ねたり、「覚醒結晶」と呼ばれるアイテムで覚醒させていきます。覚醒させるとアビリティが解放されてキャラは強くなっていきます。途中で止めてもいいキャラもいますし、全部覚醒させたほうがいいキャラもいます。
さらに「スキルレベル」です。各キャラはそれぞれ3つのスキルを持っていまして、1~10かな? 戦闘経験を積むことやアイテムで解放していくことができます。もちろん高いほうが強いです。
キャラのレベルのほかに「EX LEVEL」というのがありまして、これは上げるとキャラのパッシブスキルが解放されていく、というもの。段階的に開放されていく感じでして、現在は最高150ですか。

ちなみにこの「EX LEVEL」はキャラクター統一でして、AというキャラのEXが150ならば、Aの別衣装(別ver、ですか)を入手した場合、最初からEX150は150です。そして「スキル継承」というのもありまして、Aというキャラのスキルを1つAの別衣装のキャラも使える、なんてことができたりします。この組み合わせ方も戦闘のキモになってきます。
あとはキャラの「専用装備」。これは「武器」と「防具」がありまして、「鍛錬」によってスキルの補強・サポートを、「霊力解放」によって威力のアップを(1~5まで)、「マテリアル」の装備によってさらなる威力のアップも図れます。武器と防具はセットで装備することで「シリーズ効果」という相乗効果も狙えます。
ただ「武器」はイベント入手に対し、防具は課金アイテム。武器も防具も入手時期を逸すると入手が難しくなります。もちろん誰でも装備できる武器もありますが、上記マテリアルは専用装備にしか付けられません。

装備の「霊力解放」には「霊域のサンクチュアリ」というダンジョンコンテンツをクリアする必要があり、これの攻略もかなりの手応えありますね。

【スタミナ回復】
こちらに関しては「湯水のように」ですね。スタミナ回復アイテムはじゃんじゃん手に入りますし、使用上限もありません。もう、どんどん。いくらでも。周回に必要なスキップチケットも当初はあったようですが、私が始めたころには廃止されていました。なので周回しほうだいです。

【戦闘】
これ、フラワーナイトガールのときには書き忘れたんですけど、結構重要ですよね。戦闘に関しては、斜めビューのマス目で戦う「タクティカルバトル」です。キャラの進めるマス目や攻撃が届く距離などはマス目で管理されています。

こう見るとかなり地味に見えますが、スキル使用時にはカットインとボイスが入るので大丈夫です。

オートでも手動でも戦えます。難しいバトルは手動で管理したほうがいいですけど、私はオートしか使わないかな。オート時のスキルの使用設定も詳細にできます。
あとこれはキャラのところで触れたほうがよかったかもなのですが、全キャラクターに「リーダースキル」が設定されています。これはパーティの先頭に配置した場合に発揮するスキルでして、たとえば先程述べた同じ国家のキャラクターのスキル値を高めたり、風とか火とか同じ属性のスキルを高めたり、なんてことができるので、パーティを組むときに重要だったりします。

あとこれは私はあんまり理解していないのですが、「盤石」「逆境」なんていう概念もあります。前者はHPが全開、もしくは高いとき、後者はHPが少ない、瀕死のときに高ダメージを叩き出してくれる、らしいです。なのでスコアバトルなどのPvP要素がある場合に重要だったりします。私はソシャゲのPvP要素苦手ですし、Twitterでもそういう部分はたびたびトラブルの元になっているので、あえて避けるようにしています。なので、はい。そんなんもあるよ、的な話です。
あとは「モンスター」の存在です。『天啓パラドクス』で検索すると少なからず「モンスターが云々」みたいなことが出てくると思うのですが、そんなにモンスターが重要な存在か、というと正直そうでもないです。別になくても、ぐらいです。一応「モンスターアリーナ」というモンスター同士を戦わせるコンテンツが毎月開催されますけど超つまんないです。超苦痛です。モンスターもメインの存在意義は、キャラに持たせてスキルの威力アップさせるときでしょうね。戦闘にも出せますがまっっっっったく役に立ちません。敵からの攻撃の的を増やすくらいです。


【総評】
総評を出す前に私個人的にまったく興味がない加点ポイントなんですけれども、それは「シナリオが重厚なこと」です。2025年8月現在「メインクエスト(バトリあり)」は「3部3章後半」でこれまでうーん、今数えようとして断念しましたけど、外伝まで含めて100近いのかな? それぞれの章は3~5話で構成され、難易度が「NORMAL」「HARD」「VERY HARD」があります。クリアすると1ステージ無償石が50個もらえます。

さらに「メインシナリオ(バトルなし)」が第3部まで、「サイドストーリー」も含めるとかなりの数になります。これも読むと無償石が50個もらえます。この無償石だけでもかなりの石がもらえると思います。
あとさらに私個人的にはどうでもいいお話ですが、「R18」版のエッチなシーンが高レアキャラだと各2つ、フルアニメーションです。しかも最近モザイクが薄くなったと話題になっていました。エッチシーンは「愛カギ」というアイテムで解放されるさらにエッチーなシナリオもありますよ、と。
ほかにも装備を強化するコンテンツ、モンスターを獲得するコンテンツ、アリーナ、イベントクエスト、過去イベントのアーカイブなど、やることはいっぱいです。いっぱいなのですが。全部終えるとやることががなくなってしまいます…。運営さんも少しずつは増えているのですが、プレイヤー側のクリアスピードに追いつけていません。イベントやガチャこそどんどん実装されてはいますけれども、どうも手詰まり感を受けますかね。途中参加の私でさえこうなので、サービス開始からプレイされている方はかなりしんどいのではないでしょうか。
あと、これは上で書きました「クオリティの割にプレイ人口が少ない」にもつながっていて、私もTwitterではたびたび触れているのですけれども、『天啓パラドクス』というタイトルと「ゲーム内容」がまったくリンクしていない、ことです。『天啓パラドクス』というタイトルからみなさんは何をイメージしますか? 正直なにもイメージできないと思います。上記のような濃い内容のゲーム要素はまったく「0」ですよね。シナリオを読むとこの『天啓パラドクス』という意味がわかるそうなんですけど、そんなの知識0の人にわかるわけないですよね。辛口で言ってしまうとひとりよがりの初期段階での開発のミスだと思います。私は1年半プレイしなかったのも、どういうゲームかわからなかったからです。無料ガチャがなければ即切りしていました。
総評としては、内容は濃い良作、キャラデザもよくて粗が少ないゲームなのですが、ゲームをプレイさせるまでのハードルが意味もなくめちゃくちゃ高い。そんな少し残念だけど良いソシャゲです。遊んでみればかなり楽しめると思うのですけれども。
以上です。
