母の日に、かつての私を抱きしめる。
母の日が来るたびに、ふっと思い出す光景があります。
小学生だった頃。
今よりずっと「片親」の家庭が少なかった時代です。 学校で、母の日の似顔絵を描く授業がありました。母を亡くしていた私に、先生は言いました。
「おばあちゃんの絵を描いてね」
それが、幼い私にはとても寂しかった。
周りの友達は、迷わず「お母さん」を描いている。でも私だけ、違う。
あの時の、胸の奥がチリっとするような気持ちは、今でも忘れられません。
それから、長い時間が流れました。
今年の母の日。
東京で頑張る息子から、温かいメッセージが届きました。
娘は、綺麗なお花を贈ってくれました。
かつて、母の日に居場所がないように感じていた小さな私は、今、こうして「お母さん」と呼ばれ、想ってもらえる場所にいます。
今日は、夫の両親へケーキとカーネーションを届けました。
家族の誕生日も重なって、みんなでケーキを囲む賑やかな時間。
昔の私が欲しかった「普通の、温かい母の日」の中に、今の私は立っています。
あの時、寂しさを抱えながらおばあちゃんの絵を描いていた小さな私に、言ってあげたい。
「大丈夫。あなたにも、幸せな母の日がちゃんと来るよ」と。
今ある幸せを噛みしめながら、
私を育ててくれた人たちに、静かに感謝した一日でした。
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