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#9 生活保護申請に行った日の話

生活保護の申請に持参したもの

2023年6月のある平日。
13:00に市役所で弁護士と待ち合わせして、申請することになっていました。

妹は夕方から自宅で営んでいるクリーニング店を開けないといけないため、
父(と車いす)と兄を私の車に乗せて市役所へ向かいました。

事前に弁護士から指示を受けた持ち物は
・印鑑(法テラスの契約書に押印が必要なため)
・父と兄の通帳
だけでした。
私が作成した実家の家族の経緯や病歴等をまとめた資料も持参しました。
念のためマイナンバーカードも持参しました。

市役所玄関付近で待っていると、予定時間の5分前に弁護士が到着。
ロビーで法テラスの書類に記入・押印をするように言われ、
父と兄が作業しました。
遅れてNPO法人代表も同席することになっていることを弁護士から聞きました。

申請の様子1:簡単な聞き取り

予定時間になり、生活保護の窓口へ向かいました。
弁護士が窓口で申請に来た旨を話すとすぐに職員が相談ブースの準備を始め、
1-2分後には机を囲んで相談室の中に座っていました。
父の車いすは相談ブースの中に入れると狭くなるので、相談室の椅子に移ってもらいました。
弁護士に確認したわけではないですが、弁護士から窓口へ事前に実家の状況と弁護士同行の申請をすることが伝えられていたように感じました。

職員が来て、
過去に数回相談を受けたことがあるが今回は申請ですね、と言った話をし、「生活保護のしおり」という資料を見せながら制度の説明を始めました。
生活保護の制度の大まかな説明のほか、
妹が世帯分離をしていても、同じ家に住んでいるので、3人家族の1世帯として保護費の計算を行い支給されること、
実家の家賃は保護費の基準より高い金額なので、当面はやりくりをして支払い、いずれは転居をすることになること、
兄や妹へは仕事をして給料を増やすように指導すること、
なども話がありました。

説明の後、
現時点での家族それぞれの収入の状況、
車や保険などの資産の状況、
体調や通院の状況、
などの聞き取りがありました。

父は
無職、年金未加入で、介護保険料も未払いのため介護保険の利用もしていないこと、
実家が商店をしていた時から設置している飲料の自動販売機が2台あり、わずかに収入があること、
個人年金に加入していて毎年11月に数十万円の支給があるが家賃など滞納している支払いに充ててすぐなくなること、
母が実際は業務していて現在は妹が引き継いでいるクリーニングの取次店の収入があること、
高血圧のための毎月の通院があるほか、骨折や鼠経ヘルニア・下肢閉塞性動脈硬化症の既往があること、歩行に難があること。

兄は
2023年1月から、障害手帳の診断書作成ができる医師がいる精神科に通院を始めていて、発達障害の指摘は受けていて精神障害者手帳の申請をする予定があること、
また、来月頃には業務委託のDM配達のアルバイトもやめる予定であること、
2022年には小腸-S状結腸穿通で手術したこと、
これまで家業の他にアルバイトも含め通勤して働いた経験がほとんどないこと、家業の仕事もほとんどできなかったこと。

妹は
男性として生まれたが、性同一性障害と診断を受け名前を変え女性として生活していること、
高校を中退後、現在までフリーターとして働いてきたこと、
浪費癖があり借金があること、債務整理をしていること。

などを、父や兄が話したことに補足しながら伝えました。

申請の様子2:書類の記入

一度職員が相談室を離れ、書類を持って戻ってきました。
生活保護の申請書を目の当たりにして、
「本当に今日申請ができる!」
とすごく安心しました。

申請書は家族3人で1枚で、父が世帯主なので、父の名前で記入しました。
職員に確認の上、
持参した父の老眼鏡を出して、名前だけは本人に書いてもらい、
住所などほかの欄は私が代筆しました。

資産状況の申告をする書類は一人ずつ記入する必要があるもので、
とりあえず父の書類は名前だけ本人に書かせ、
同時に兄にも自分の書類に住所や名前・生年月日などすぐ記入できる欄を書かせ、
私は妹の書類の記入を始めました。妹はこの場に来ていないのでわかるところだけ記入すればいいとのことでした。
この書類に口座番号や残高、手持ちの現金の額、加入している保険や直近3か月分の給料(自販機やクリーニングの収入も)、母の遺族年金の金額などを記入する欄があり、
通帳やメモを取り出して私が記入しました。

親族への扶養照会をするため申請者と血縁のある親・兄弟・子を記入する書類もあり、
父の存命の兄弟3人と私の名前・住所を書きました。

書き方がわからないところはその都度聞きながら記入し、
1枚ずつ書類を書き上げては職員に確認してもらい、
提出しました。

書類の記入をあわただしく進めているころ、
隣のブースにも相談者が来たようで、女性の職員との会話が聞こえてきました。

同じころ、NPO法人代表者が到着し相談室に入ってきました。軽く挨拶をしつつ同席して、申請の進捗を確認していました。
職員も何度か退席し、上司の職員に報告しているような声も聞こえてきました。
職員が何回か退席したタイミングで、
弁護士からは今後妹の自己破産について着手することや大まかな流れを、
NPO法人代表からは、家族それぞれの住居について、つながりのある不動産業者を今日連れてきているので紹介したい、
という話がありました。

書類をすべて書き終えると、10分近く職員が退席したままになることがありました。
その間に不動産業者の担当者が相談室に入り、
父は高齢者向け住居に行くとして、
兄と妹が同居する場合やそれぞれ一人暮らしを想定して、
家賃はこのくらい・エリアはこの辺りといった候補になる物件の資料を見せてくれました。
いくつか資料を出した後、不動産担当者は次の予定があるとのことで退室していきました。

申請の様子3:申請が受理される

担当の職員が戻り、
申請が受理されたことと、
今後の流れについて説明がありました。

今後、職員が実家を訪問し、生活状況を確認することになるとのこと。
その際は妹も含め家族全員そろって在宅すること、
加入している保険などの確認をすること、
給料明細や源泉徴収票、クリーニングの売り上げなど収入の詳細を確認すること、
妹の借金や債務整理の契約書類の確認をすること、
などの説明があり、
妹にも電話で相談の上、日時を決定しました。
家庭訪問の調査結果も踏まえ、
生活保護受給ができるかどうかの結果が出るまでに1か月かかる、といわれました。

申請手続きのすべてが終わり、相談室を出ました。
市役所のロビーで弁護士・NPO法人代表にお礼を伝え、見送りました。
弁護士の話では、申請は通るはず、とのこと。
NPO法人代表からは、生活保護受給が決まったら、あらためて不動産業者に物件の相談をしてください、といわれました。

車に父と兄を乗せたあと私は市役所の中へ戻り、
障がい担当課の窓口へ行き、
兄の精神障害者手帳申請の手続きについて問い合わせをしました。
10分ほどして市役所の外に出ると大雨になっていて、
窓を少し開けていた車の中で父と兄は大慌てになって口げんかしていました。
車のキーは持ち出していましたがチャイルドロックはかけていなかったので兄が私に知らせに来るとか、
父はスマホを持っていたので電話をかけて私に知らせることもできたはずなのですが、
運転席を見てキーがないと分かると、ただただ車の中で、吹き込んでくる雨に濡れながら喧嘩するしかできませんでした。
申請を終えて疲れもあったでしょうが、
父と兄はやはり折り合いが悪く一緒に生活することは難しいこと、
兄には臨機応変な対応が難しくやはり何らかの障害があること、
を改めて感じ、さらに強く疲れを感じながら実家へ戻りました。

実家に戻り、妹に申請が受理されたことを報告し、
父と兄にももう一度生活保護の説明をし、
この日は自宅へ帰りました。
無事に生活保護申請が終えられたことの安堵感は忘れられません。


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