小説『蜜蜂と遠雷』感想・レビュー(ネタバレなし)
※この記事には広告リンクを含みますが、内容は一読者としてのリアルな感想です◎気軽に読んでもらえたらうれしいです。
※この記事は、過去に別ブログで公開していたものを加筆・修正して再掲しています◎
今日は、恩田陸『蜜蜂と遠雷』。
『蜜蜂と遠雷』の紹介とあらすじ
概要
タイトル:『蜜蜂と遠雷』
作者:恩田陸(おんだ・りく)
出版年:2016
出版社:幻冬舎
受賞:第156回直木賞、第14回本屋大賞
直木賞と本屋大賞のダブル受賞というあり得ない快挙を成し遂げたこの作品。本屋大賞に関しては『夜のピクニック』で第2回本屋大賞を受賞していて、同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初だったそう。
それはそれは、圧倒的でした。
構想に12年、取材に11年、執筆に7年を費やされた、果てしない最高傑作。胸に響いた作品がそれだけの年月をかけて書きあげられていたということにもまた、胸を打たれます。
あらすじ
3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?
2019年には映画化もされましたね。わたしは本来、圧倒的に原作派だけど、映画もおもしろかった◎レビュー記事もそのうち書きたいです。
ちなみに、映画はこちら。Amazonプライム会員なら無料で観れます◎
『蜜蜂と遠雷』の感想・レビュー
圧倒的。圧倒的な表現力に、やられた…と顔をしかめたり、胸を押さえたりしながら読んでしまった。
主な登場人物は驚異的な才能を持つピアノ奏者たち。天才ゆえの思考や感情が、わたしの想像の及ばないところまで具体的に描かれていて、圧巻。彼らの心臓がどきどきするのに合わせて、わたしの心まで大きく跳ねる。それでいて人間の普遍的な心情がきちんと丁寧に描かれていて、男女の間にある微妙な気持ちの違いやもどかしさに、「そうそう」と頷けるところもまた魅力的だった。
なにより、本物の音楽を聴いているとき以上に、胸の中にさーっと音楽の風景が浮かび上がってくるあの感じが、読んでいて本当に気持ちよくて、ゆっくりゆっくり読んだ。
わたしは10年くらいピアノを習っていたので作曲家や曲の名前は知っていたけど、彼らの特徴やメロディと結びついているわけではなかったにも関わらず、そこまで引き込まれる「文字の音楽」って…とページをめくるたびに驚愕していました。
読み終わるのがどうしてももったいなくて、わざと何日もかけて読んだ小説はこれが初めて。いつもは続きが気になってひと息に読んでしまうんだけど。こんなに味わって読むべき本に出会えて本当に本当に嬉しい。
『蜜蜂と遠雷』の感想・レビューにまとめ
(クラシック)音楽が好きな人
小説はささっと読んでしまうという人
恩田陸の作品を未読の人
すごい読書体験をこの本で味わってほしいです。ぜひに。
※文庫本またはKindle本は、上下巻に分かれています。
『蜜蜂と遠雷』が“はまった”あなたにおすすめの本
『祝祭と予感』
『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ短編小説。
読みたいなと思いつつ、まだ読めていません。早く読みたい……。
『夜のピクニック』
同作家、本屋大賞受賞作品◎これは、タイトルと装丁からは想像できないというか……。おもしろかったな……。
『羊と鋼の森』宮下奈都
ピアノつながりでおすすめはやっぱりこの1冊◎丁寧に丁寧に書かれた本を読む贅沢さをこちらでも。
他にもいろいろ、おすすめの作品!
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