あの棚の奥で出会った、小さなフィルムカメラ──OLYMPUS-PEN EE-3から始まったこと
田舎に移住して間もない頃、ふらりと立ち寄った地元の中古ショップ。
家具やレコード、ゲームなんかが並ぶその店の片隅で、ぼくは一台の小さなカメラを見つけた。
「OLYMPUS-PEN EE-3」
ハーフサイズカメラ。フィルム1本で通常の倍の枚数が撮れる、なんとも軽やかで合理的なカメラだった。

レンズの前に少しホコリがついていたけれど、どこか表情のあるその姿に惹かれて、気づけば手に取っていた。
たしか2,000円くらいだったと思う。
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フィルムカメラ初心者だったため、最初は、縦に見えるファインダーが不思議に感じたり、電池無しで撮影ができることに、機械式カメラの技術力に驚いたりした。
最初の1本は、現像してみるまでちゃんと写っているのか不安だったけれど、写っていた。
ちょっとだけ色が薄かったり、ブレていたり。でもそれすら、なんだかうれしかった。
写りが薄いなと思い、色々と調べていると、モルト(遮光のためのスポンジ)が劣化していたため、光が漏れている可能性があると判明した。そこで、早速ネットで調べながら、夜な夜な自分で貼り替えてみた。
初めてカメラの中を分解して、黒いフェルトをピンセットで慎重に貼っていく作業は、不思議と落ち着く時間だった。
その頃からだと思う。
“ただ写す”ということ以上に、アナログな写真の手ざわりが好きになっていったのは。
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その後、よりクラシックな写りとデザインに惹かれて、ブラックボディの「OLYMPUS-PEN FT」を手に入れた。

光の中にしずかに浮かび上がるような階調と、縦構図の自然さ。
そして、ハーフカメラ唯一無二の一眼レフという特性からシャッターを切ったときの、あの心地よい“カシャン”という音。
フィルム1本で倍の枚数、だけどじっくり1枚ずつ。
撮ったその場では確認できない、その分、あとでフィルムを巻き戻すときの楽しみがある。
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暮らしのリズムに、アナログが加わっていく。
音に続いて、今度は“光”がその役割を担ってくれるようになった。
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これからも、このnoteではそんなアナログな暮らしのかけらを、少しずつ綴っていけたらと思っています。
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