もっと、もっと、今の目線の景色を大切にしたい
あたたかい光が差しこむ朝のこと。
嬉しそうに笑う次女を見て、
ふと思ったことがありました。
歩んできた道のりを、
新しい目線で見つめることができたとき。
これから見る景色も、
少し楽しみに感じることってありませんか。
「わたしって、背が伸びたと思う?」
朝の支度をしていた次女が、
洗面所の鏡をのぞきこんだあと、
聞いてきました。
「伸びたかもね。」
楽しそうに話す次女を見て、
気づけば一緒に微笑みながら返していました。
すると次女は、少し得意げに笑いながら言いました。
「たぶん伸びたよ。だってね、
これ使わなくても、鏡の中のわたしが見えるんだもん!」
洗面台の横に置いてある脚立を指さしながら、
嬉しそうに笑いました。
その姿につられて、
思わずこちらまで笑ってしまいました。
「だんだん大きくなるね」
私が言うと次女は、
さらに嬉しそうに笑って言いました。
「大人になるの、たのしみ〜!」
その言葉を聞いて、ふと思いました。
私はいつから、“大人になること”が当たり前に
なったんだろう。
少し考えてみても、
すぐには思い出せませんでした。
子どもの頃の私は、
もっと単純に未来を見ていた気がします。
「こうなりたいな」
「もっと高いところへ登れるかな」
「もっと遠いところへ行けるかな」
そのときの目線から見える景色の先に、
まだ見ぬところを見つめながら、
本当は楽しんでいたはずなのに、
いつの間にか、自分を急かすようになっていた気がして。
次女が、脚立なしで鏡が見えるようになったことを全身で喜んだように、
今の私の目線にしか映らない景色を、
もっと、もっと、
喜んでいいのかもしれません。
立っている場所が変わるたび、
見える景色も変わっていく。
今のこの目線から見える景色を、
これからも大切にしたい。
自分が大きくなったことを嬉しそうに笑う
子どものように。
嬉しそうに笑う次女の姿は、
私の心の中の小さな何かを
そっと動かしてくれた気がしました。
今、見える景色を宝物に
今の私の視界に入っているものは、
すべてが、"期間限定の贈り物"のように
感じます。
関連する英語フレーズを調べて載せてみました。
・Love the view from where you stand.
(今、立っている場所からの景色を愛そう)
(ラヴ ザ ヴュー フロム ウェア ユー スタンド)
*よく使われる英語フレーズ
次女の瞳に映った「脚立のいらない世界」
のように、大人になった私が手にしたのは、
新しい景色そのものだけではなく、
それを見つめるための「新しい目」なのかもしれません。
The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.
(真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目を持つことだ。)
(ザ リアル ヴォイッジ オヴ ディスカヴァリー コンシスツ ノット イン シーキング ニュー ランドスケープス、バット イン ハヴィング ニュー アイズ)
*フランスの作家、マルセル・プルーストの言葉です。
本当の変化は外ではなく、自分の内側にあるという考え方のようです。
昨日と同じキッチンも、いつもの洗面台も、
私の心が少し変わるだけで、新しい景色に更新される。
見慣れた景色の中で、
新しい発見を重ねていくことも、
大人になることの一つなのかもしれません。
今の私の目線に映る、
ありふれているけれど、愛おしい景色。
一つひとつを大切にしながら、
これから見えてくる景色も、
楽しみにしたいと思います。
あなたが今、見ているのは、
どんな景色ですか。
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