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【177日目】イスタンブール、伝説の食堂へ

美容室帰り。
髪をふわっと整えて上機嫌のゆかさんと、5段レイヤーをゆらゆらさせながら歩く私が向かったのは、イスタンブールの名物食堂「Pudding Shop(プディングショップ)」だった。

1. ヒッピーたちの伝説の食堂

正式名称は「Lale Restaurant(ラーレ・レストラン)」。
1957年にチョルパン兄弟が開業した、なんてことないはずの食堂だった。
ところが1960〜70年代、ヨーロッパからインドやネパールを目指す旅人たち、いわゆる「ヒッピートレイル」の拠点になったことで、伝説の店になってしまう。

当時はスマホもSNSもない時代。
店内の掲示板が、旅人同士の待ち合わせや恋文のやりとりの場になっていたというから面白い。
今でいうLINEグループが、壁一枚だった時代の話だ。

ちなみに元アメリカ大統領のビル・クリントンも、若かりし頃ヒッピーとしてここを訪れ、後年大統領として再訪したという逸話を耳にしたことも。
もはや食堂というより歴史遺産…!

暖かな照明が灯る落ち着いた店内
「ヒッピーとPudding Shop」について
90年代に書かれた記事も飾られていました

ロカンタという異文化

トルコには「ロカンタ」という、いわば大衆食堂文化がある。
これがアラブ圏にはない仕組みで、私にとって新鮮な出会いだった。
ショーケースに並んだ日替わりのおかずを見て、指差しで注文する。
「今日は何があるかな」とワクワクしながら店に入るあの感じは日本の定食屋に近い温かさがある。

Pudding Shopは観光客向けに洗練されている印象があり、おじさまたちがササっとお食事をするような路地裏のロカンタとは雰囲気が違う。
けれど、ずらっと並んだ料理の目の前で注文できるところを見ると「ロカンタスタイル」を取り入れているようにも感じられた。

全部食べたくなっちゃうでしょ

2. 半年ぶりの鮭と、固めでリッチなプリン

私が頼んだのはサーモンと野菜のグリル。
ビネガーとハーブのきいたサラダが添えられていて、爽やかな酸味が食欲をそそる。
サーモンは寒い海でしか獲れないのでおそらく輸入品。
それでも旅に出てからというもの、こんなに「しゃけぇ!」とちゃんと主張してくる鮭を食べていなかったので、感動もひとしお。

値段が書かれていなかったが、どうしてもお魚が食べたかったので特に聞かずに注文した。

そしてもちろん、名物のプリンも外せない!
大きめのカップにたっぷり詰まったそれは、卵の風味が濃厚でやや固め。
写真を見てもらえればわかるが、カラメルは控えめ。
これ、日本で売ったら絶対バズる…!
そう確信するくらい美味しかった。

つやっつやのてりってり。

ゆかさんはライスが添えられたシシケバブ。串にお肉がぎゅっと刺さっており、まさに絵に描いたようなビジュアル。見ているだけでもテンションが上がる一皿だった。

お手本のようなシシ・ケバブ

お会計を見て真顔になる

味も接客も文句なし。
店員さんも気さくで、居心地は最高だった。

ところがお会計を見て真顔になった。

シャケプレートとプリン、サービスのパンでまさかの3800円
トルコは外食や酒・タバコにかかる税が高いらしく、対してスーパーの消費税は1%程度とのこと。

「郷に入っては自炊せよ」を痛感した。


3. トルコ人の朝は早い?

「朝5時半に来たら厨房見せてあげられるよ」と言われた。

5時半から仕込んでるの?朝早すぎない?

半年のアラブ生活にどっぷりだった私は、
彼らの早起きと仕事への熱意に驚き、そして感動した。

「厨房での仕込みを見てみたい!」と後日3度ほど挑戦したが、半分アラブ人になっていた私にはどうしても早起きができず、結局いつも6時ごろに到着。

「今日も準備終わっちゃったよ〜でもお茶あげるから飲んでいきな」と、毎回お茶をご馳走になるだけの人になってしまった。
マスター、いつも美味しいお茶をありがとうございました。^_^

遅刻してお茶を頂き、おじさんたちの会話に混ざる
もはやこれはルーティーン
「トルコではKitaroが有名なんだよ」と教わった
ゲゲゲの奴かと思ったら、祖父母世代の作曲家だった

ガイドさんたちとの巡り合い

ここは現地ガイドさんたちの休憩スポットでもあるらしく、朝にお茶を飲んでいるだけで色んな人と話すきっかけがあった。

日本語を話すガイドさんもいれば、中国語を操るガイドさんもいるし、ある日、英語ガイドさんとおしゃべりしていたら、なんと無料でブルーモスクのツアーに同行させてもらえたことも。
ラッキー!

寝坊して厨房が見られないのがわかっていながらもお店に足を運んだのは、こういうご縁がゴロゴロあってお店にいるだけで楽しかったからである。

オスマン建築の傑作、ブルーモスク
解説付きで見渡すと10倍面白い

美味しいご飯と、しあわせのプリンと、新たな出会い。
歴史の重みまでついてくるこのPudding Shop、イスタンブールに行く方にはぜひおすすめしたい。

📍 Google Maps: Pudding Shop (Lale Restaurant)

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