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今日ときめいた言葉447ー「(大学は)就職予備校」

(2025年8月27日付 朝日新聞 「声」 から)

大学生の投書

(就活イベントが開かれ「インターン対策」「ブラック企業の見分け方」などの講座が開かれ早くから取り組んでいる学生がいる)と述べたあと、大学生は述べている。

「大学が『就職予備校』になっていると感じる。1年の必修科目では4年生から就活体験を聞くこともあった。学業以外に、もう就活を考えるなんて、私には衝撃だった。就活の開始時期が早すぎないだろうか。1、2年生が就職を真剣に考えるよう促される現状には、疑問を覚える。将来のため、という気持ちは分かるが、学生らしくいられる時間をもっと大切にさせてほしい」


高校生の投書

「学生時代の就活が人生を左右してしまう現状に違和感を覚えている。卒業後に正規雇用に就けなかった場合、安心してキャリアを形成するのが難しい構造が残っているからだ。(中略) 雇用形態に関わらず安心して働ける制度整備が必要だと感じる。国による最底賃金や最低報酬の保証や、学び直しの支援制度などが充実すれば、学生時代の就活の結果に人生を縛られることも減る。働き手を守る多様な制度があることが、未来のある学生にとって大切だと思う」

この日の投書で、大学生と高校生が同様の意見を述べている。
私がいつも思っていることと同じように思っている学生がいることに安堵した。

人生のうちのたった4年間、せめて生き方を考えたり、自分を見つめたり、純粋に何かを学ぶ生活を送って欲しいといつも思っていた。さらに言えば、生活維持のためのアルバイトからも解放してあげたい。大学で学ぶためには、アルバイトをすることが必然のようになっている現状を憂慮している。これでは安心して学ぶことに集中できないだろう。日本の大学生の置かれている状況がとても貧弱に思えてしまう。

我が子の例で恐縮だが、大学生活の4年間は勉強だけに追われていた。就職はあくまで卒業後であった。アメリカの小さなリベラルアートの大学だったが入学願書を出すときには学費+寮費を半額にしてもらう(Half Tuition)奨学金を申請した。経済的に余裕のないインターナショナル学生にはそのような特典があった。もちろん給費である。3人ともその特典を付与してくれた大学に入学した(結果的に日本の大学に行くより安く済んだと思う) アルバイトは制限があって(確か週18時間程度)、学内だけであった。

2005年、スティーブ・ジョブズが行ったスタンフォード大学でのスピーチは日本の大学生に響くだろうか。

「あなたたちの時間は限られている。誰かの言いなりになってはならない。誰かの教えにとらわれるな。それは他人に従って生きることだ。あなた自身の内なる声を周囲の意見に埋もれさせるな。最も大事なのは、あなたの心と直感を信じる勇気を持つことだ」

「世界を変えられると考えたものだけが世界を変えることができる」

「Stay Hungry, Stay Foolish」


また文化人類学者の今福龍太氏の言葉はどうだろうか。

「役に立つ」知識=情報は、その社会に有用か否かの基準で判断され、実利的な目的のために使われ、体制に組み込まれ、その体制を支える力となるだけである。そのような「知識」では、人間の命や自然の摂理については学ぶことはできない。


「知」は、我々の社会を創造していく真の力であるが、その時の「知」とは「知識」(knowledge)ではなく、「知性」(intelligence)であるはずだ。

日本の社会、教育制度、研究環境はどうだろう。目先の成果を追い求めるあまり、長いスパンで物事を考えることを許さない不寛容な体制や環境、独自の生き方、異質なものを好まない精神風土ではないだろうか。

いまだに一斉入社の体制である。


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