昭和の不便な暮らしが、私に一生モノのスキルをくれた
私が子どもの頃、
高知にある母方の実家も父方の実家も、
お風呂は薪で沸かす「五右衛門風呂」でした。
鉄でできた浴槽は、
直接触れると熱くて危ない。
だから中に浮かべてある
木の「底板」を足で踏んで沈めながら入ります。
でもこれが、なかなか難しい。
バランスを崩すと、
板が傾いたり、
熱い部分に触れそうになったり…。
最初は怖くてうまくできなかったけれど、
何度も入るうちにコツを覚えて、
上手に沈められるようになりました。
あの時の
「できた!」という気持ちは、
今でもはっきり覚えています。
そして私は、
お風呂に入ること以上に、
大人たちが
かまどに火をつけたり、
薪をくべたりする姿を見るのが大好きでした。
小学生になると、
一緒に火をつけたり、
かまどの番をしたり、
時には薪を割ったりもしていました。
火を扱うことが、
少しずつ自分の中で
“できること”に変わっていきました。
その経験は、
思いがけない形で活きることになります。
ガールスカウトのキャンプでの飯盒炊爨(はんごうすいさん)
火起こしをした時に、リーダーから
「美香ちゃん、火をつけるの上手だね」
と褒めてもらえたのです。
子どもの頃、
ただ楽しくやっていただけのことが、
誰かにとっては
“すごいこと”だった。
それが、とても嬉しかったのを覚えています。
そして今でも、
BBQのイベントなどで火を扱うと、
「上手ですね」と
声をかけていただくことがあります。
特別なことをしているつもりはないのに、
子どもの頃に身につけたものは、
忘れているだけで、
ちゃんと今の自分を支えてくれているのかもしれません。
子どもの頃の経験で「今も役に立ってるなぁ」と思うこと、ありますか?

