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「そのうちな」と言っているうちにの話

そのうち飲もう
その一言が
一番危ない

平日の着信。

おいおいおい、誰の誰がどうした…。
同級生からの午前中の電話。

発信者はキャッチャー。

ライトのお母さんが
亡くなったとのこと。

葬儀には
キャッチャーとセカンド、
そしてショート(私)。

久しぶりの再会が、
こういう形になる年齢になった。

中学生時代。

我々の親たちは、監督を巻き込み、
試合に勝てば祝勝会、
負けても残念会。
やれ歌え、やれ踊れ。

酒に弱い監督を一度つぶし、
復活したらまたつぶし。

主役は完全に、親たちだった。

社会人になってからも、
そのつながりは続いた。

「お前たちも大人なんだから、
 今度は招待する側だろ」

言われて、何度か企画して、
一緒に飲んで、笑って。

あの頃は、
ずっと続くものだと思っていた。

気がつけば、還暦。

親父たちは皆、天国へ。
母親たちも、次々と。

ライトが言う。
「毎日な、駅まで自転車で行って、
 電車で通って、
 遅くまで働いてくれてたんだよな…」

涙ながらに語るその言葉に、
ただ、うなずくしかなかった。

「ありがとうな」
ライトが泣きながら見送る中、

「落ち着いたら飲もうな」
と声をかける。

するとセカンドが一言。
「“そのうち飲もう”って、
 前も言ってなかったか?」

痛い。

でも、図星。

帰り道、ふと思う。

“そのうち”って、
本当は、いちばん来ない約束なんじゃないか。

だから――
次は、自分から決めよう。

日付を決めて、場所を決めて、
ちゃんと会う約束をしよう。

(人の滴)
「そのうち」は
だいたい来ない
だから今

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