震災遺構にようやく向き合った話

窓の外は
一面の草原
あれから15年

陸前高田への一人旅

15年、
震災遺構には、
触れずに来てしまった…

ようやく重い腰を上げ、
やってきた。

風呂あがり、
途中で買ったしっとり海苔天、
缶酎ハイ片手に、
ホテル2階の部屋から、
草原となった大地を、
眺める。

ただ眺める…

夕食のフルコースは、
エスカベッショ、
カルパッチョ、
フリット、
ポアレにマリネ。

口に含み、
気持ちうなづきながら、
箸置きに箸を置く。

どう料理したかは、
分かっていない。

食材でメニューを判断。

壁を見つめる。

「Free Wi-Fi
ご自由にどうぞ」

何度見たことか。

食事会場の壁よりも、
部屋からの眺めが、
落ち着く。

そして、
しっとり海苔天。

食感そのまま、
しっとりとした海苔の揚げ物。

エスカベッショ、
なにがエスカで、
どうベッショなのか…。

缶酎ハイから、
純米酒へ。

眺める風景は、
何も変わらない。

15年前、
あの土手を超えて、
12mもの津波が、
この風景を飲み込んだ。

祈念館で見た震災前の町並み、
今は、その面影すらない。

広い草原が、
広がるだけ…。

酔いが回ってきた。

このまま、
カーテンを閉めずに、
寝よう。

(人生の一滴)
草原だけが
広がっている
それが重い


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