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損切りできないのは弱さじゃない──“期待”とサンクコスト効果と投資の心[投資×心理]

「損切りができない」
この言葉を聞くと、私は少し胸がチクッとします。

なぜなら、私もその”できない人”だったからです。
いや、正直に言えば———今でもそういう時があります。

「ここで売ったら、また上がるかもしれない」
「もう少し待てば、きっと戻る」
そんな”期待”を抱えたまま、チャートを眺め続けたことがいくつもありました。

「期待」という名の小さな鎖

損切り出来ない人の心の中には、必ず”期待”があります。
でも、この”期待”って不思議なものです。

最初は「未来への希望」だったはずなのに、いつの間にか「過去の自分を正当化する理由」に変わっていきます。

「買った判断は間違っていなかった」
「きっと時間がたてば報われる」
そう信じることで、私はなんとか自分を守ろうとします。

でも同時に、その裏側では「サンクコスト効果(埋没費用効果)」が働いています。

サンクコスト効果とは––
過去に費やした時間やお金、労力が「もったいない」と感じるあまり、冷静な判断ができなくなる心理のことです。

投資だとこうなります。

「ここまでお金や時間をかけたのに、今やめるのはもったいない」
「こんなに時間をかけて調べた銘柄を、ここで捨てるとか無理」

このような気持ちが、損切りの判断を鈍らせてしまうのです。

「もったいない」が判断を曇らせる

サンクコスト効果は、投資の世界だけの話ではありません。
私たちの日常にもこの心理は潜んでいます。

  • 正直つまらないけど、半分まで読んだから最後まで読み切ろうとする本

  • 「ここまで課金したんだから次こそSSRが出るはず」と言いながら回し続けるガチャ

  • もう冷めてるのに、長く付き合ったからという理由で続く恋愛


全部「ここまでの時間を無駄にしたくない」から続けてしまっているんですよね。

損切りできない時も同じです。
“未来に可能性がある”から持っているというよりも、“今までの自分を否定したくない”から持ち続けていることがあります。

これはもう冷静な投資判断じゃなくて、感情のケアをしていますね。
しかも、そのケアの対象は「いまの自分」ではなく「過去の自分」です。

損切り”は「負け」じゃなくて、未来への解放

長いこと投資をしてきて思うことは、損切りって「負け」ではないということです。
むしろ“未来の自分へのプレゼント”ではないかと、今は思っています。

「これ以上、この銘柄には期待しない」
「私はこのポジションから自由になる」

そう決められた瞬間、私は銘柄から解放されます。

私もかつて、大きな含み損を抱えていた銘柄を手放した日、なぜか清々しい気持ちになりました。
もちろん損益としてはマイナスで終わっています。

不思議ですよね、損したのに清々しいとは。
でもあの日、「もうこのことで毎日モヤモヤしなくていいんだ」と思えた瞬間、ああ、これが損切りの本当の意味なんだな、と少し分かりました。

“期待”を手放すための3つのコツ


1.数字で線を引いておく
「このラインを割ったら損切り」と最初にルールを決めておく。
たとえば何%下げたら、移動平均線を割ったら、など“条件”で決める。
大事なのは「その場の気分」で決めないことです。
気分で逃げようとすると、だいたい逃げ遅れます(経験談)。

2.“もったいない”と感じたら、黄色信号
「ここまで時間をかけたのにもったいない」はサンクコスト効果が先頭に立ってるサインです。
“過去への執着”で株を握っていることを認識しましょう。
未来を取り戻すタイミングです。

3.小さな損切りを練習としてやる
いきなり大ケガ銘柄で完璧な損切りは無理です。
なので私は、そこまで痛くないサイズのポジションから「予定通り手放す」という動きをあえてやりました。デイトレとかでよくやりましたね。
これ、ちょっとした筋トレみたいなもので、やるほど“手放すことへの恐怖”が小さくなっていきます。


“期待”と距離を置けると、投資はラクになる

“期待”を持つことは悪いことではありません。
それは「信じたい」という人間らしい感情だからです。

でも、投資は信仰ではなく、現実との対話です。
期待しながらも、「それが外れた時」も想定しておく。

“期待”をコントロールできるようになった時、
投資は少しラクになり、長く続けられるようになります。

損切りが辛いのは、当たり前

損切りできないのは、弱さではありません。人として心の構造がそのように出来ているのです。

人間の脳は、「過去の自分は間違ってなかった」と思いたいように出来ています。
「これはまだ戻る」「持ってればきっと報われる」という期待は、ただ“自分を守ろうとした”というだけのことです。

「過去の自分を守りたい、信じたかった。」
その想いが強いだけのことです。

でも、その想いをを未来の自分に向けてあげる時が来たら──
“損切り”という形で手放してみてもいいのかもしれません。


ここまで読んでくださった方へ

もしよろしければ、あなたが「期待してしまった銘柄」や、「ここで切ると決めているライン」などがあれば教えてください。とても勉強になりますし、こういう話を共有できると私も少し安心します(^-^)

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