やる気が出ない原因は、刺激がないから
「では、こちらにご署名をお願いします」
1年前、2025年5月某日。家電量販店の携帯コーナーで、店員から差し出されたタブレットに無心でサインをする。時刻は平日の午後6時半。私は今日、どうしても仕事をする気が起きなかった。
朝起きて、ベッドの中で「今日は何もしたくない」と悟ったとき、人間には2つの選択肢が与えられる。1つは、そのまま家でYouTubeをダラダラと見続けて夕方に自己嫌悪に陥るルート。もう1つは、とりあえず外に出るルートだ。私は後者を選び、ふらりとサンシャイン水族館に行き、魚を眺めた後、なぜかスマホのMNP(ナンバーポータビリティ)の手続きをして帰路についている。
「私、なんでこんなことしてるんだっけ?」
当時は自分でもよくわかっていなかった。しかし今なら明確に言語化できる。あれはレジャーなどではなく、「緊急避難的な防衛行動」だったのだ。
無気力な日をどう過ごすべきか、そして「旅行や外出の本当の効能」について、過去の日記から解き明かしたい。
東京全クリ状態と「とりあえず外出」の限界
私はこれまでの人生で、八王子に4年、品川に1年半、そして道玄坂に半年住んでいた。西の郊外から、ビジネス街のはずれ、そして東京の中心地へ。平日の昼間から暇を持て余しては、あちこちをふらふらと出歩いていた。
結果として、東京にある「みんなが行くような定番スポット」は、一人でほぼ行き尽くしてしまった。浅草寺も、スカイツリーも、お台場も、思いつく限りの場所はだいたい制覇した。
しかし、これらの外出は「どうしてもそこに行きたい!」という情熱から計画されたものではない。
たいては、「家に篭って1日中動画を見続けるくらいなら、外の空気を吸った方がマシだ」という消極的な理由だ。
だからこそ、意味もなく家電量販店に寄り道してはMNPの勧誘をされ、慣れた手つきでキャンペーンを受ける。無気力な状態でも、とりあえずキャンペーンのキャッシュバックやポイントを回収していた。
だが、2025年の3月頃を境に、私の行動パターンは劇的に変化する。大半の時間を渋谷で過ごすことになったのだ。それは、一つの致命的な事実に気がついてしまったからだ。
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