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noouchi
雲呑
雲を呑む、と書いてワンタン。
なんて綺麗な名前なんだろう。
調べてみると、
中国語の「餛飩(フントゥン)」が広東・福建地方で「ワンタン」と発音され、
スープに浮かぶ姿を雲に見立てて、「雲呑」という字が当てられたらしい。
私はこの由来がたまらなく好きだ。
雲を食べる。
そう思うだけで、いつものワンタンが少し特別になる。
熱いスープの中で、
皮がぷるん、と半透明になる。
湯気の向こうでゆらゆら揺れる姿は、
本当に小さな雲みたいだ。
祖母は戦後、
食堂でこのワンタンを作っていた。
その味が、母へ。
そして今は私へ。
スープは鶏ガラスープの素を使うようになったけれど、
白菜とニラと豚ひき肉の餡のレシピは
あの頃と変わらない。
餡ができたらクルクルと手で包んでできあがり。
今日の献立は、
黄金色のスープに浮かぶ小さな雲。
湯気の向こうで、
ゆらゆら揺れている。
私は今日も雲を呑む。
それでは、いただきます。
