《詩》【人形】
深夜のコンビニ
地味な看板のラブホテル
ひっそりと生きていた
ゴミ捨て場のてんとう虫
少女には高価なお人形と
それにふさわしいお洋服を
あの人は幻と戯れ
彼女も一人で夢を見る
空の青さを忘れたの
日々の香りを忘れたの
咲き乱れた髪飾り
綺麗の基準が分からない
深夜の団地
淫らに朽ちた植木鉢
ひっそりと生きていた
廃材の裏のダンゴムシ
少女には高価な食事と
それにふさわしいお洋服を
あの人が魔法を使えば
割れたお皿もすぐ治る
魔法の言葉を忘れたの
夢の終わりを忘れたの
渇いた鈴の呼び声が
何処からするのか分からない
深夜のコンビニ
地味な看板のラブホテル
ひっそりと生きていた
高級マンションの人形
