【掌編小説】はじめて| シロクマ文芸部
三月は初めて恋人ができた月
確か24歳の3月だった
彼の好きなアーティストは
名前も知らない人だった
はじめまして
はじめまして
彼のアラームの曲は
名前も知らない曲だった
はじめまして
はじめまして
彼の匂いは
香水という頭から離れない香りだった
はじめまして
はじめまして
彼のからだの温かさは
誰もしらないものだった
はじめまして
はじめまして
何度か三月と味わった今
彼の消息は
誰も知らない
はじめまして
さようなら
シロクマ文芸部さんに参加させていただきました!
今週も企画開催ありがとうございます!
