でも私のトリセツには、こう書いてある
人には、それぞれ得意、不得意がある。
好きなことも、大切にしていることも違う。
当然わかっていることなのに、人ができていることをできない自分を責めてしまうし、どうしてあの人はああなのだろうと、人の振る舞いや考えに疑問を抱いてしまったりする。
余裕があるときには、それほどでもないのだけれど、忙しいときや、体調がすぐれないときに限って人との違いは目に付いて、相容れない人との関わりに、心は擦り減っていく。
私が人との違いを受け入れて、“私は私、人は人”と思えるようになったのは、九星気学を学んでからだった。
人を、たった9つに分類して、何がわかるのかと思うかもしれない。
実際、私がそうだった。
では、なぜ九星気学を学ぶ気になったのかといえば、当時の私は、どうしても不運を回避したいという気持ちに支配されていたから。
“公正世界仮説”という言葉をご存知だろうか。
「人間の行いに対して公正な結果が返ってくるものである、と考える認知バイアス、もしくは思い込み」
つまり不運になるのは、不運に見舞われた本人に問題があるという考え方。どうしてそう考えるようになったのかという話は、別の機会に譲るとして、私は不運を避けたいという一心で九星気学の門を叩いたのだった。
ところが九星気学が最初に教えてくれたのは、不運を避ける術ではなく、私が抱える生き難さの理由だった。
九星気学の九星とは、以下の9つ星のことをいう。
一白水星(いっぱくすいせい)
二黒土星(じこくどせい)
三碧木星(さんぺきもくせい)
四緑木星(しろくもくせい)
五黄土星(ごおうどせい)
六白金星(ろっぱくきんせい)
七赤金星(しちせききんせい)
八白土星(はっぱくどせい)
九紫火星(きゅうしかせい)
生まれ年によって、9つの星のいずれかが、自分の本命星(ほんみょうしょう)ということになる。
九星気学を統計学だと思っている人も多いが、九星気学では、人が母親のお腹に宿り、生まれ出るその年のその月その日に、宇宙から注がれるエネルギーの違いによって、九星それぞれの星の本質を持つようになると考えられている。
「人には、それぞれ持って生まれた本質がある」
その考えに、私は救われたのだった。
私の本命は六白金星。
当時の私は、はた目には何の苦労もない、むしろ恵まれた暮らしをしていた。
それなのに、まるで目に見えないやすりに心をザリザリと削られていくような、耐え難い焦燥感に苛まれ、いまここに生きていることが辛くてならない自分を持て余していた。
ところが九星気学に出会い、六白金星の性質知ったことで、自分がなせ辛いと感じてしまうのか、その理由を知ることができた。
それまでは、母親らしくない自分、なんということもない家事の繰り返しの日々に苛立つこと、守ってくれている相手にさえ、頭を押さえ付けられるような息苦しさを感じることがあること、それら全てに強い罪悪感を抱いていた。
ところが六白金星という星の性質を知れば、そう感じるのも仕方なかったのかもしれないと思うようになった。
自分に合わないからといって、やるべきことをやらない理由にするつもりはない。
ただ自己否定するばかりだった自分の性質について、別の見方ができるようになったのだ。
私が、もう少し器用で、体が丈夫で、自分が納得できるレベルまで家事を極めることができたなら、私はそれを好きになれたかもしれない。
けれど、どれほど頑張ったとしても、自分の納得するレベルに至らない以上、私が家事を好きになることはないし、やり甲斐を感じることもないのだと諦めがついた。
子育てについていえば、子どもが大きな目標を待ち、その目的に向かうこどもを応援し、一緒に邁進することができたなら、子育ては私の生き甲斐になったかもしれない。
と、ここでふと考える。
もしも、子育ても家事も自分の思う通りに頑張れたとして、その結果はどうだっただろう。
あなたのためにといいながら、自分の生き甲斐と充足のために、家族を支配する母、そんな姿が目に浮かぶ。
なんて話はすべて想像で、そもそも過去は変えられないし、どの道を選んだら、どうなったかなんて検証しようもない。
「考えること、そのものに意味がない」
私はこうして、ようやく自分の過去と折り合いをつけることができた。
次に私の意識にあがったのは、
「これからどう生きたいか」
ということだった。
「私なんかが」とか「無駄なこと」とか、理由を付けて止めていたことや考えないようにしてきたことが、六白金星の性格を知ってみれば、私らしく生きる上で、とても自然なことだったのだとわかった。
我慢する必要などなかった。
私は、母であること、妻であることと同じくらい、私を一生懸命に生きればよかったのだ。
私らしく生きる。
まだ間に合う?
その疑問に九星気学が、こんな答えをくれた。
「50代は“金の季節”、人生の実りを収穫する秋である」
これからが人生のご褒美タイム。
私は、私を楽しんでいこう!!
