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ゴールデンユニーク【毎週ショートショートnote】
「どうだ、じいちゃんの育てた甘夏は」
「すっごくおいしい!」
連休に帰省した実家の畑で、好き嫌いの多い息子が、目を輝かせて甘夏にかぶりつく。
「そうだろう。何しろ、他では絶対に真似できない、美味しさの秘訣があるからな」
「……違う。こんなものじゃない!」
成長した息子は、今は亡き祖父の甘夏の味が忘れられず、何とか再現しようと躍起になっている。
「くそっ、酸味も甘味も香りも、あの日の唯一無二の味に遠く及ばない」
痩せ細るほど入れ込む息子が心配になり、声をかける。
「なあ。お前のその思い出の味は……あの日あの場所、楽しい連休にじいちゃんの家に行って、黄金色の夕焼けの中、家族で一緒に食べたからこそ、何より美味しかったんじゃないか? じいちゃんが言っていた『他にはない美味しさの秘訣』というのは、そういう――」
「……そんなことは、わかってるよ」
息子はゆらりと振り向く。
「だからわざわざ、じいちゃんの遺体を掘り返して、畑に埋め直したのに」
