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950am
こびと初来訪【こびと栗】
「今朝、また俺の机にこびとが来ててさあ」
「へえー」
幼馴染みの伊吹の言葉に、あたしはとぼけて応じる。
「どうして毎日、イガ栗なんか入れてくんだろうな」
「さあ、ねえ……」
真相を知るあたしとしても、困惑しているのだ。
この伊吹が好きだという友人の美玖里に「距離を縮めたい、でも直接話すのはまだ無理。何かいい案ないかな?」なんて難題を持ちかけられた。
悩んだ末、「匿名でも、気持ちを伝えてみたら? 机の中に、ロマンチックな手紙を入れておくとか……」と提案したのだ。
あの子天然ボケだとは思っていたけど、まさか、マロンチックなイガ栗を入れるとは。高度な韻か。ごんぎつねか。
「……でも、嬉しいな」
おや?
「俺に好意を持ってくれてる誰かがいる、ってことだろ?」
意外と効果アリっぽい?
よかったじゃん、美玖里。
……ん?
おかしいな。
あたしのところにも、こびとが来たのかな。
胸に、小さな小さな、栗のイガが置かれたみたいに――
少しだけ、……チクチクする。
