告りびと【毎週ショートショートnote】
「おはよう、春峰さん。大好きです」
朝の通学路。
日向くんは今朝も、開口一番で告白してきた。
「……あのさ、日向くん」
「はい」
「毎日毎日告白してくるの、その、控えてほしいんだけど……」
「どうして?」
「いや、びっくりするし、恥ずかしいし……」
「僕でドキドキしてくれてるってことですね。嬉しいです。そして恥ずかしがる春峰さんも好きです」
道行く同じ制服の面々が、またあの二人だよとチラチラこちらを眺めてくる。
が、一部では『告りびと』なんてあだ名まで付いているらしい日向くんは、まるで意に介さずニコニコしている。
「僕はやめませんよ。釣り合いがとれるまでは、ね」
そう、彼はいつも、見返りが必要なんだと主張する。
でも、その言葉は、私には到底受け入れられない――
「毎日言い続けるくらいでないと、先に春峰さんから貰った『好きです』の重さに釣り合わないですから」
いや、重く受け取りすぎだってば!
……私は今日も、真っ赤な顔のまま、恋人と登校する。
